中央教育審議会初等中等教育分科会 学校における働き方改革特別部会(第6回)
中教審 傍聴の記録
【中央教育審議会初等中等教育分科会学校における働き方改革特別部会 委員】
50音順
相原 康伸 氏
日本労働組合総連合会副会長
全日本自動車産業労働組合総連合会会長
青木 栄一 氏
東北大学大学院教育学研究科准教授
天笠 茂 氏
千葉大学教育学部教授
小川 正人 氏 ★部会長
放送大学教養学部教授
風岡 治 氏
豊橋市教育委員会教育政策課事務指導主事
川田 琢之 氏
筑波大学ビジネスサイエンス系教授
清原 慶子 氏
東京都三鷹市長
佐古 秀一 氏
鳴門教育大学理事・副学長
妹尾 昌俊 氏
学校マネジメントコンサルタント、アドバイザー
田野口 則子 氏
横須賀市立野比小学校長
時久 惠子 氏(欠席?)
高知県香美市教育委員会教育長
橋本 幸三 氏
京都府教育委員会教育長
東川 勝哉 氏
公益社団法人日本PTA全国協議会会長
冨士道 正尋 氏
小金井市立南中学校校長
無藤 隆 氏 ★部会長代理
白梅学園大学大学院特任教授
善積 康子 氏
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
政策研究事業本部 研究開発第1部 主席研究員
中教審 傍聴の記録
配布資料
⇒ PDF一括ダウンロード 2:資料3 教員が担うべき業務(学習指導、生徒指導)に関する業務の利益のために~(大阪府立大学山野教授提出資料)
資料1 教員勤務実態調査の追加分析
資料2-1 学校において作成する計画等について
資料2-2 学校において作成する計画等(一覧)【概略図】
資料2-3 学校において作成する計画等(一覧)
資料3 教員が担うべき業務(学習指導、生徒指導)に関する業務の利益のために~(大阪府立大学山野教授提出資料)
資料4 組織体制づくり:チーム学校の具体化へ~子どもの最善の利益のために
資料5-1 学校に置かれる委員会等の組織・担当者について
資料5-2 学校の組織図(例)
資料5-3 学校に置かれる委員愛等の組織(一覧)
資料5-4 画工に置かれる担当者(一覧)
資料6 これまで議論した役割分担・適正化を着実に実施していくための方策について
参考資料1 学校における働き方改革特別部会 委員(名簿)
参考資料2 あたら曽時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(概要)
参考資料3 経済財政運営と改革の基本方針2017~人材への投資を通じた生産性向上~(平成29年6月9日閣議決定)【抄】
参考資料4 富士道委員提出資料
参考資料5 妹尾委員提出資料
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議題
1、業務の役割分担・適正化に関する具体的な論点について
2、その他
※ 以下の記録は各委員の発言要旨を記載したものです。発言内容すべてを網羅できているものではない点をご了承願います。
ここから本議題
小川部会長より本日の流れの説明
青木委員より4月末の勤務実態調査の追加分析についての説明
事務局から資料説明
●富士道 正尋 委員(小金井市立南中学校校長)
学校に求める計画が多岐にわたり、毎年特定の時期に一斉に出しなさいということになっている。最近は、もともとあった計画以外に、事故など起きる度に対応マニュアルを作らなくてはなくてはいけない。そういうものがドンドン増えている。不登校、いじめなど取り上げられているが、それに対しても対応防止策、対応委員会の作成。年々増えているという印象である。
では、そういう対応マニュアルが無くていいのかと言えば、そうではない。そういうものは重要。ただ、そういった諸々を一時期に一斉に作ることになっており、それは大変。担当した教員が1人につき2つ、3つの計画を作る。これは相当大変。そこで、様式の工夫や簡略化をはかっていくことが必要であると思う。
ここで話はそれるが、本校で作った資料を見て下さい。参考資料4の2枚目。学校では色々なプリントが出される。でも多すぎて、保護者はよく分からないと。そこで全てを一枚にして配布した。このように配布物等についても工夫をしていけばいい。
●妹尾 昌俊 委員(学校マネジメントコンサルタント、アドバイザー)
参考資料5。2ページ目。計画の精選、見直しは大事。しかし、計画の話ばっかりしていてもどうなのか。計画が形骸化している。作っても何に繋がるか分からない。日付を変えているだけ。背景として評価が上手く機能していないんじゃないか。義務付けられた学校の自己評価アンケートが形骸化していたり、カリキュラムマネジメントも大事だが概念が広くて何をもってカリキュラムマネジメントとするのか、カリキュラムの評価と改善がどれだけ機能しているのか、前年踏襲になっていないか、評価が肝心の授業改善とどこまでリンクしているか。この辺りをよく考えないと働き方改革も上滑りする。
学校評価、カリキュラム、授業改善を三位一体で行っていく。
●清原 慶子 委員(東京都三鷹市長)
一番重要なのは、何のためにこの計画が作られているのか。年間計画もあるが、中長期的な計画、これがまた必要なもの。そして、それがどのようにして教員や保護者に共有されるのか、ということが大事。冨士道さんの学校は大変すぐれていると思う。共有すべきポイントが明確であることが大事です。
2点目に、個別の生徒指導に関する計画がある。出来る限り統合してはどうか。
3点目に、PDCAサイクルをいかに回すかということが重要。計画は作っただけでは駄目。いかに実施されるか、いかに検証されていくか。緻密になればなるほどかえって共有されなくなる。根幹的なものは継承しつつ、優先順位をつけていく。それ以外は全国で共通する標準的な計画というものを立てたらいいのではないか。
一番重要なのは何のためにこの計画が作られているのか、目的というもの。年間計画もありますが中長期の中で総合的にみて必要なもの。
まさに命の現場として求められている計画が必要とされている。しかしながら重要なのは教員・保護者に共有されていざというときに役立つということ。
PDCAのサイクルをいかに回すことが大切か。
いかに実施されるか、いかに検証されて次のステージに進むか。
根幹的なもの理念的なものは継承しつつ、その年度の重点化、優先順位を短時間の集中的な議論の中で立てていくような優先順位をつけていく現場感覚が必要。自治体や学校の実情に合ったものを加えることで、教員が計画を立てやすくなるように。
●清原 慶子 委員(東京都三鷹市長)
このような各種の計画は、学校経営計画など、一冊に束ねている。毎年作っているわけㇾは無く、必要に応じて差し替えたり新たに加えながら使いこなしている。ちゃんと職員会議で使っている学校もあれば、作るだけ作ってどこに置いてあるのか分からないという学校もある。そういう実態があることも認識しておくべきではないか。作っておくということと、作って機能させること。どういう形で使いこなされているのかということが大事。学校の問題意識が大事、今に始まった話ではない。教務主任の集まり、教頭、校長の集まりにおいて、こういう計画を現場に近いところで見つめなおす環境づくり、働きかけが必要ではないか。
学習指導、生徒指導に関する役割分担について
●富士道 正尋 委員(小金井市立南中学校校長)
学校からの視点で話す。授業準備と一口に言っても、これは教材の研究、教材の作成、授業の準備という3つの内容が含まれている。授業準備であると、特に中学校の場合、理科の機材や薬剤準備や、技術家庭の実務教材セッティングの準備。体育ではラインを引くであるとか、当日にやらなきゃいけない。1時間目の授業準備であれば、当然勤務時間前から来てラインを引いている実態がある。
英語の教員が外国語の映画を見に行く、社会の教員が旅をするなども教材研究なので幅広く難しいのではあるが、教材の作成は勤務時間の中で出来た方が良い。初任者には長期休業中に休業後の授業を作れという指導をしている。明日作る教材を今日作るな。
進路指導で一番時間がかかるものは生徒本人や保護者との面談。中3の保護者には年に2回ほど説明会を行う。進路指導の資料は各学校でやっている。そういうのを学校をまたいで作成できるものは作成する。かつてに比べると減ってきている、これは評価したい。
●田野口 則子 委員(横須賀市立野比小学校長)
小学校は、毎年新しいことを教えないといけない。授業準備の差はどこで出るのか。若手は、明日の準備を、目の前の授業をどうするのかということでやっている。ベテランは、見通しを建てることが出来るので、単元ごとに考えていける。単元づくりという観点でできるので、日々の授業作りに追われることがない。様々な教科で単元ごとの授業作りを進めると良いのではないか。単元づくりが授業づくりだ、そういうアピールを国からしてもらう。そういう観点の授業作りを進める。そうやって若手を育てる。
成績処理について。要録を簡素化してほしい。外国語活動や道徳が新たに入るが、簡素化してほしい。二期制が三学期制に戻りつつあるが、二学期制の良さをもっと考えてほしい。
●清原 慶子 委員(東京都三鷹市長)
授業準備について。特に三鷹市では委託金を活用して、理科支援員を充実させて、生徒の授業への興味関心が高まる。ひょっとしたら理科というのは、専科化が有効なのかもと。市町村と一体になって
評価や成績処理について。サポートスタッフは誰に頼めばいいのか。教職課程の学生にトレーニングとして活躍してほしい。コミュニティスクールでは授業支援等で一般市民の方にもご活躍いただき昨年度は延べ2万人ほどのサポートスタッフに支援をしていただいている、しかし成績となると守秘義務もあるので地域の方には頼めない、そこで、また戻ってくるが教職課程の方に頼めないか。
●妹尾 昌俊 委員(学校マネジメントコンサルタント、アドバイザー)
4点お話しします。
守秘義務の指摘があった。それは、地域の方であろうが誰であろうがきっちり契約すること。守秘義務が不安だからという理由はやめていただきたい。
田野口委員から単元の流れが大事だという指摘があった。個々の指導案をしっかりやりすぎているのではないかと思います。単元で考えるのはいいと思います。
成績処理は理想と現実のギャップがすごくある。もちろん細かくできればよいことだが、沢山の労働時間の中で、観点別評価も抜本的に考え直してもらいたい。
勤務実態調査から分かることがある。週60h以上働く過労死ライン以上の方は成績処理に大きな差があるのが明らか。もうひとつここからわかるのは中学校においては部活動の負担が重い。授業準備や広い意味での自己研鑽が部活動をやりすぎると疎かになることがあります。現に週60h以上働いている人は、平日の部活が平均約50分、ということは5日だと約4h、これに土日いずれか3hやるとこれで週7hになります。
一方週60h以上働いている人の授業準備は約1.5h、5日で約7.5h、何が言いたいかというと、授業準備と匹敵するくらいの時間を部活に使っている。土日も両方やるともっとたくさんの時間を部活に使うということになる。部活動のやりすぎをどうするのかという問題を同時に考えていかないと、授業準備については教材の共有だけでは解決できない。
●橋本 幸三 委員(京都府教育委員会教育長)
3点。
小学校の場合、色々な教科を教えないといけない。理科支援の配置拡充はぜひしてほしい。
高学年の先生は大変。授業準備に迎える時間が16時半とかになる。抜本的には、いかに持ち時間数を減らせるか。空き時間をつくれるか。
ICTを活用する。以外と学校現場で活用されていない。個々の学校で生徒の状況が違うので、作り直さないといけない。またベテランは、自分の授業は自分で全て作るべきだという文化が残っている。
●佐古 秀一 委員(鳴門教育大学理事・副学長)
仕事を減らしていくか、人をもっと増やすか。専門知識を持った人材を入れる。また担任業務が重い。だから担任業務を補助するような、カバーしてくれる人材も入れる。
教材のシステム化、共有化。これは教育委員会は作っているんだけど、学校現場で使われていない。知らない。学校の中で使う仕組みを。指導する側の教員が使うということを行わないといけない。
学校行事について
●田野口 則子 委員(横須賀市立野比小学校長)
小学校で学校行事の精選が進まないという現実。学校行事の時間数が決められていない。学校行事の時間数の上限を定める。外枠を決めることで、精選をはかる。
●青木 栄一 委員(東北大学大学院教育学研究科准教授)
60時間以上の方の数値が高い。おそらく担任の先生の負担が大きいのではと分析する。宿泊行事については、旅行業者が夜間の見回りを担うなどの方法が。講師の派遣に伴う日程の調整も教員の負担になっている。単独の学校でこの仕事ををやるよりも、教育委員会あたりが複数の学校を担当するなど。ある種の講師派遣業を教育の業界で創出する、既存の業種を活用するなど。担任の先生が行事もやるというのは大変。お金を使うべきところに使う。
●妹尾 昌俊 委員(学校マネジメントコンサルタント、アドバイザー)
行事の準備に時間がかかっている、保護者の期待が大きいというのが背景。時間数は決められていないが、特色ある学校づくりの最たるものであるから、各学校の裁量、校長の仕事として、保護者に説明をし、理解を求めていく。これは国とか教育委員会から枠をはめるというよりは、学校ごとに改めていくことが必要。
●清原 慶子 委員(東京都三鷹市長)
コミュニティスクール。小学校の運動会に中学校のボランティアが参加する。中学生ボランティアによって、教員の負担が軽減されていることが見られる。行事を隔年でやる。行事を合同でする。来賓を呼ぶのは負担感がある。隔年で呼んだり、市長を呼ぶ必要もあるのか?来賓に対応するストレスを減らすこともすすめていいのではないか。
●東川 勝哉 委員(公益社団法人日本PTA全国協議会会長)
来賓にどの方を呼ぶ、というルールはない。統一されたものがあればやりやすい。
上限を設けるというのも賛成。
前年踏襲でやっているものは見直す必要がある。
●田野口 則子 委員(横須賀市立野比小学校長)
進路指導については、小学校の6年担任の負担も大きい。地域によっては中学受験する児童も多くなる。そこも考えてもらえれば。
●妹尾 昌俊 委員(学校マネジメントコンサルタント、アドバイザー)
進路指導は、必ずしも教員の専門性が高いものではない。生徒理解は先生方がプロであるが、出口の繋ぎはキャリアカウンセラーをもっと活用するような舵取りを。
補習や進路指導、模試監督も重い。今は教員の無償労働や僅かな手当てで休日にやっている実態。予算の話になるが、外部化できないか。
支援が必要な児童生徒について
山野氏(大阪府立大学教授)
スクールソーシャルワーク。子どもの権利条約の視点も入れてもらえれば。
児童福祉の立場から。子供や保護者にとって教員の働き方改革がどう子供たちの利益になっていくのかという視点。
児童生徒の問題行動への対応、保護者からの苦情の割合が高い。当然の結果。学校の態勢は昔と変わっていないが、こどもを巡る状況は非常に変わっている。今までの概念ではしんどい。児童虐待は平成9年と比べると20倍、いじめも増えた。地元大阪では教育委員会の方は24時25時まで残っていじめなどの対応をしている。
鍋蓋組織について。福祉の視点、福祉現場では係員が気になったことがあれば管理職に伝えることができる。教員はラインで教育委員会や文科省などに報告していく義務があるが、一人で抱えるという状況を作ってしまいやすい、これが先生方の負担感に繋がっている。
学校の計画にプラスして、全員の子どもたちのちょっと気になることを拾っていけないか。
例えば貧困問題、滞納が3ヵ月続いているなど。クレームがあるないは書きにくいが、親御さんの来校数(大阪でやり始めている)が参観の1件だけなら良いが、これが10件だと何か学校に不満があるのではないかと読み取れる。
アメリカでは個別計画を作るのはスクールソーシャルワーカーの仕事。外部化して、別の仕事とするのもひとつ。
家庭への対応について
●妹尾 昌俊 委員(学校マネジメントコンサルタント、アドバイザー)
抱え込まない。担任任せにしすぎない。ところが小学校では新任であっても学級担任を持っている。新任が担任を持つのは小学校96%、中学校57%、高校11%で差がある。持ちコマ数についても小学校は過酷な環境にある。予算の話になるが、初任に担任という重たい事案を持たせていること。
●青木 栄一 委員(東北大学大学院教育学研究科准教授)
福祉的な対応が必要。教育の中でデータを共有。学校の組織上の課題。管理の在り方を見直す。課題が多様化している中で、管理職を増やす。校長、教頭、主幹教諭を増やす。福祉事務所的な組織の在り方をする教員の存在。
●清原 慶子 委員(東京都三鷹市長)
三鷹市では20年ほど前からスクールカウンセラーの取り組みを進めている。数年前からはスクールソーシャルワーカーの活躍を得ている。特に不登校児や貧困家庭に支援を。
市長部局ではもっと早期から子どもを支援できないだろうか。昨年度から妊娠期の段階から支援。学校教育と福祉のネットワーク化。教員の負担軽減とともに、困っている保護者を支援する。スクールソーシャルワーカーの充実。支援の見える化。
東京都の支援を受け、教育マネジメント強化の支援、副校長を支援するという取り組みを行っている。副校長にもゆとりを持たせる。学校マネジメント教科モデル事業。副校長を支援する非常勤職員に対する補助を活用。要支援の子ども達を見つめる管理職として副校長が重要、ゆとりがないときめ細かい視野を持てない。
●橋本 幸三 委員(京都府教育委員会教育長)
スクールソーシャルワーカーは福祉の専門家。常勤化されていない。報酬も低い。その結果、人材が医療機関に流れがち。人材確保が厳しい。処遇を改善したうえで、ひとりひとりのこどもとの長期的なかかわりが重要。そういう意味では週一回数時間程度の支援では足りない。生徒にも教員にもサポートをしないといけない。
委員会などの組織や担当者のあり方について
事務局からの説明
●佐古 秀一 委員(鳴門教育大学理事・副学長)
資料5-2。分掌などの仕事が細分化された学校だと、ひとりの教員が10以上の役割を担っているケースがある。校務について責任ある立場の人間を増やす。つまり、主幹教諭なんかを増やせばいい。
●川田 琢之 委員(筑波大学ビジネスサイエンス系教授)
1人が問題を抱え込む。細かいことは分からないが、組織の在り方というよりは運用のされ方が問題かと。割り振られたものが担当者だけに丸投げされていることが問題じゃないか。
●天笠 茂 委員(千葉大学教育学部教授)
実際の運用の仕方が重要じゃないかと。現場でのアイデアを出してもらって。現場や学校に近いところの判断、アイデアの創出の方がむしろ改善に近いんじゃないか。スクラップ&ビルド。
●田野口 則子 委員(横須賀市立野比小学校長)
神奈川県では総括教諭がおかれている。通常4人。4人がそれぞれグループのリーダーとして学校組織が動く。教員の世代交代が始まるときに若手にどう校務分掌を繋げていくか、というときにグループ化して様々な課題に取り組み上手に学校運営をしていく狙い。グループで対応できるものはグループで委員会も兼ねて行う。教職員のグループ化という組織の考え方。
●風岡 治 委員(豊橋市教育委員会教育政策課事務指導主事)
時期に合わせて動いたり、ある問題においてはいくつかの委員会が一体となって動く。教育委員会に置かれる専門委員会のなかで教員が議論していく、それが学校の計画になって反映されるといった、学校と教育委員会が連携する取り組みの中で効率化を図っている。校務分掌については愛知県は教頭先生のもと、教務主任・校務主任・事務職員という三本立で校務分掌を行っている学校がほとんど。管理運営の校務分掌についてもう少し検討していく。その他サポートスタッフの役割を増やしていく。
●清原 慶子 委員(東京都三鷹市長)
同一メンバーが集まっている時には。教員だけで校務を担うと内向きになるのでは。コミュニティスクールを増やしていけばまた変わる。教育に関わる部分と、事務・管理に関わる部分に責任の所在と正誤性を。教員だけで議論すると内向きになるので、コミュニティスクールでは教員以外の方の意見を聞くことで教員の役割責任がより明確に。
●佐古 秀一 委員(鳴門教育大学理事・副学長)
包括的なグループに分けて、その責任を各主幹教諭が取る。校務分掌が細分化されている、という仕組みが良い。どの先生も満遍なく何かの役に着く、ということになっている。しかしそうなると教員間で重い役職と軽い役職で負担格差がある。偏りを規制する。
大規模校、小規模校の違いもある。
組織論で言うと校務分掌表というのは、ルーティンワークを担う役職の表であって、学校の教育目的を達成するものではない。
★部会長 小川 正人 委員(放送大学教養学部教授)
役割分担や業務の適正化を図ることで、どこまで時間外勤務を減らしていけるかということが大事。どこまで時間外勤務を減らすかという目標値を定める。目安については労働基準法改正で上限規制が課されている。個人的意見で言えば労基法の定める一ヶ月45時間、年間360時間という上限規制が何らかの形での目標になる。様々な業務改善を図っていくうえで、どのような目標値を掲げるつもりか、これが特別部会で議論すべき大きなテーマ。文科省及び事務局としてはどう考えるのかお聞かせいただきたい。
文科省 初等中等教育企画課長 矢野氏
骨太の方針では、年末までに緊急対策を取りまとめる。何らかの中間報告を行う。参考資料2の審議事項、教職員が担うべき役割分担。かなり多岐にわたる論点があるわけだが急ピッチで進めてきている。資料3の矢印の2番目、まだまだ整理すべき点はございますが、そのふたつ、学校運営体制と組織について。いよいよ次回以降、勤務時間制度。勤務時間のあり方について等話し合うタイミングに来ている。働き方改革実現会議の動向もふまえて。今年の3月に働き方改革実行計画が示されています。ある程度の方向性は見えている。こういう実現会議の動向も踏まえて具体的な資料も示しつつ、次回以降小川先生がおっしゃるような議論を進めていただきたい。
●善積 康子 委員(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 政策研究事業本部 研究開発第1部 主席研究員)
教員の意識改革が大事。やりたいことについてはあまりやめない。ルールが定められていてもそれが守られていない実態。整理整頓なども現場ではかなりルーズ。先生自身が業務をまわすということについての意識とノウハウを蓄積する。ICTを活用するといっても、データをちゃんと管理する。
行事の問題も出ましたが、大きな問題は、引き継ぎ資料がちゃんとできていないこと。
会議のやり方も課題がある。
そういうことも研修をしてほしい。
学校の個別性に任せすぎ。教育委員会が動けることをもっと整理する。
●妹尾 昌俊 委員(学校マネジメントコンサルタント、アドバイザー)
添付資料。
具体的にどんな意識改革が必要なのか?何のための働き方改革か?今のままだと何がまずいのか?時間のかかっているもの、特定の人に負担がかかっているものにメスを入れる。正直申し上げて、働き方改といって、会議を見直しました早くしましたといっても、資料にありますが長時間の人とそうでない人との差はわずか数分しか違いがない。会議の見直しは大事だが、それだけやってもダメ。
目標はやりっぱなしでなくチェックする仕組みが必要。50人以上のところであれば衛生委員会というのが義務付けられているし、それがない場合でも校内研修やいろんな場でいろんなデータをチェックしてこのままでいいのかとチェックする必要がある。
校務分掌の見直しや計画の見直しは大事だけれども、そういったものだけでは駄目だということを申し上げたい。人材や財政措置については、いくら役割分担や適正化を議論しても、受け皿がない、人がない、という話になる。お金の話ではあるが考えていかないといけない。
やはり校長のマネジメント姿勢、組織ムード作りは非常に決定的に重要。校長への評価や研修に踏み込んで話さないといけない。それから誰も言いませんけど、校長がへぼい時にどうするか、という問題も考えないといけない。校長がしんどいときに一教員はなかなか声をあげられない。人事委員会も少人数でやってますのでどこまで議論しているかというのも疑問ですので、そいうった労務管理ですとか人材育成がちゃんとできていない学校を誰がどう面倒みるのか。
学校文化は、組織は戦略に従うと言われるが、最近では文化が戦略を駆逐するとも言われている。つまり、計画や戦略、組織体系の議論も大切ですが、学校文化に切り込む必要がある。
●風岡 治 委員(豊橋市教育委員会教育政策課事務指導主事)
働き方改革について成果が上がっている県の成果の検証。
学校のマネジメント。学校が何をすべきかという議論を深めるべき。教育委員会の役割について。
●青木 栄一 委員(東北大学大学院教育学研究科准教授)
義務づけを行う場合。いつ、どのように。横串を通すような協働する仕組み。事前に検証ができる、計画を義務付けるのであれば計画が既存のものとうまくテンプレを遣えるような組織。
●天笠 茂 委員(千葉大学教育学部教授)
実効性を持たせる一番のポイントは、現場にとって、与えられた、降ろされた働き方改革ではなく、現場が自ら考えるような中間まとめをさせる。きっかけとかメッセージをいかに現場に伝えられるか。
●相原 康伸 委員(日本労働組合総連合会副会長、全日本自動車産業労働組合総連合会会長
小川部会長と矢野さんのやり取りにとっても意味がある。追加分析資料1,2、ただしミスリードしないかという懸念。大変な長時間労働の状況にあるという前提に立って、エビデンスにたって議論する必要。矢野さんの話にもありましたが、21世紀の日本の教育の源流を作っているんだという認識をもって、やっているんだという理解をすべきだ。多くの皆さんが学校を支えていく地域社会をつくっていく、その中で先生方が必死こいてやっていきます、みんなでやりましょうという文化の作成過程にある。
業務量の削減は何割するんだ、と絶対打ち出した方が良い。今回の社会的期待に相応しい会とするためには、労働時間の長さとと業務量の削減を行うんだということを示す。
今後、先生の誇りにもつながっていかなければならない話、給特法の話は不可避。議論を回避することはできない。ぜひともこの延長線上の中で、現実の働き方実態とかけ離れた給特法の在り方について、このテーブルに乗せて議論する必要がある。質問が許されない雰囲気ですが、議論をされる予定があるかどうかだけはお答えいただきたい。
●川田 琢之 委員(筑波大学ビジネスサイエンス系教授)
地域との信頼関係等
文科省 初等中等教育企画課長 矢野氏
諮問の中には勤務状況を踏まえた処遇の在り方として明確に書かれている、給特法とは書いていないが。10年前の中教審から宿題になっているところである。議論は当然なされるべきもの。
次回の予定 11月6日 15時半〜18時。場所は決まり次第。
中教審 関連コラム
リンクツイート
中教審第6回「学校における働き方改革特別部会」の委員発言記録と配布資料データを公開いたしました。 https://t.co/ma3H3evCWF
— 教働コラムズ (@kyodo_columns) 2017年10月23日
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