文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン作成検討会議

傍聴の記録

文化部活動ガイドライン

※内容に誤りやお気づきの点がありましたらご連絡をお願いいたします。

 

 

【目次】

 

⇒ 作成検討会議委員

 

 

●第一回 平成30年7月12日(木)

⇒ 公式 議事次第・配布資料 を見る

 

 

●第二回 平成30年9月19日(水)

⇒ 公式 議事次第・配布資料 を見る

 

 

●第三回 平成30年11月1日(木)

⇒ 公式 議事次第・配布資料 を見る

⇒ 傍聴の記録

⇒ リンクツイート

 


 

【作成検討会議委員】

50音順

 

〇座長代理:揚村 洋一郎 委員(欠席)

東海大学付属仰星高等学校中等部 東海大学付属仰星高等学校校長

 

岸 信介 委員

一般社団法人全日本合唱連盟 理事長

 

木下 雅人 委員

静岡市教育委員会学校教育課教育課題係指導主事

 

齊藤 勇 委員

一般社団法人 ふじのくに文教創造ネットワーク 理事長(地域部活“音楽×演劇×放送”文化創造部・発起人)

 

妹尾 昌俊 委員

教育研究家、文部科学省委嘱学校業務改善アドバイザー

 

千葉 仁 委員

公益社団法人全国高等学校文化連盟 事務局長

 

★座長:長沼 豊 委員

学習院大学文学部教育学科 教授

 

野口 由美子 委員

全国中学校文化連盟 理事長

 

丸谷 明夫 委員

一般社団法人全日本吹奏楽連盟 理事長

 

横山 恵子 委員

東京音楽大学 東京音楽大学大学院 教授(声楽)、二期会オペラ振興財団会員

 



 

傍聴の記録

第三回 平成30年11月1日(木)

 

 

【議題】

 

文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン(素案)について

 

 

【配布資料】

 

資料1 「文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」(素案)のポイント

資料2 「文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」(素案)の概要

資料3 部活動ガイドライン比較表

資料4 「文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」(素案)

参考資料1 新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(中間まとめ)

参考資料2 学校における働き方改革に関する緊急対策【概要】(平成29年12月26日文部科学省)

参考資料3 学校における働き方改革に関する緊急対策の策定並びに学校における業務改善及び勤務時間管理等に係る取組の徹底について(通知)(平成30年2月9日文科省事務次官)

参考資料4 運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン【概要】

参考資料5 運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインの策定及び運動部活動の適切な運営等に係る取り組みの徹底について(依頼)(平成30年3月19日文科省、スポーツ庁、文化庁)

参考資料6 第二回「文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン作成検討会議」意見交換要旨

参考資料7 中学生は忙しい

 

※ 後日、文化庁公式サイトにて公開されます。

 

  

【委員発言】

 

※発言者のうち委員を、座長の進行を、文化庁を、参考を臙脂で示す

※ 以下の記録は各委員の発言要旨を聞き取れた範囲で記載したものです。発言内容すべてを網羅できているものではない点をご了承願います。 

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

それでは定刻となりましたので、ただいまから第三回文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン作成検討会議を開催いたします。

まず本日の出席状況について事務局からお願いします。

 

 

 

●根来 文化庁文化戦略官

皆様おはようございます。

お忙しいところ朝早くからお集まりいただきありがとうございます。

文化庁文化戦略官の根来と申します。

本日は揚村座長代理がご欠席となっております。

座長代理以外の皆様のご出席は座席表の通りとなります。

そして、10月1日付けで文化庁の組織再編がございまして、事務局の異動が確定しましたのでご紹介させていただきます。

まず、文化庁審議官の内藤でございます。

 

 

 

●内藤 文化庁審議官

内藤でございます。よろしくお願いいたします。

 

 

 

●根来 文化戦略官

また、芸術文化担当参事官として坪田が着任しております。

 

 

 

●坪田 文化庁参事官(芸術文化担当)

坪田でございます。よろしくお願いいたします。

 

 

 

●根来 文化戦略官

以上でございます。

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

それではまず、内藤文化庁審議官よりご挨拶をお願いします。

 

 

 

●内藤 文化庁審議官

10月より芸術教育を担当することになりました内藤と申します。

今、組織再編と申し上げましたが、もう少し付言をさせていただきます。

10月1日に文化庁を組織再編いたしました。

一つは文化芸術基本法が制定されたということで、それを推進していく、また、文化庁は京都への移転が予定されておりまして、遅くとも2021年度中に京都に移転するということで、その準備も含め、今回大きく再編いたしました。

加えて、そういった趣旨を留意し、文部科学省設置法が改正され、文化庁に関わる所掌事務の変更がございました。

この会議に関係するところだけ申し上げますと、これまで初等中等教育が担当しておりました教育課程に係る業務のうち、芸術教育、詳しくは音楽、美術、書道に係る教育課程の編成に係る業務が文化庁に移ってまいりました。

したがって新しくできた芸術文化担当参事官のところで、これまでは文化部活動などの学校外活動が、これまでも学校における文化芸術教育は全く関わっていなかったわけではありませんが、どちらかというと教育課程外の活動を中心に担当してきたところが、教育課程そのものについても文化庁が担当させていただくことになりました。

 

なお、教育課程全体のとりまとめについては引き続き初等中等教育の方でやりますので、私共と国立教育政策研究所と連携をとりながら芸術教育の教育課程についてとりすすめていくことになってございます。

いずれにしましても、学校に係る芸術教育・教育課程内外を通じて私共が担当させていただくことになりましたので、部活動を中心とする学校外の芸術教育に係る様々な活動についてもより体系的に、かつ、連携しあいながら進めて参りたいと思ってございます。

 

そうした前提のもとに、7月から文化部活動ガイドラインの検討会議を進めていただいているところですが、これまでに様々なご意見、ご指導をいただいております。この点につきまして、改めまして厚く御礼申し上げます。

今回、これまでの議論を踏まえながら、事務局において総合的なガイドラインの素案を作成いたしました。

あくまでも素案でございますので、この会議において、先生方、関係の方々から様々なご意見いただきながら、まとめて参りたいと思ってございます。

 

先程、個々の委員の先生方にご挨拶する際に申し上げましたが、私は今年の3月まで千葉県教育委員会の教育長をしてございました。平成27年4月から今年の3月まで3年間勤めさせていただきましたが、実はちょうど運動部活動ガイドラインの議論が私の任期の最後の方で行われておりまして、この部活動の在り方というのは各教育委員会においても特に昨年度から非常に大きな議論をされてきているところでございます。

私がいた千葉県ではその後5月に運動部活動のガイドラインを策定したと聞いております。

今回、文化部活動のガイドラインの素案作成にあたっては、まずは先生方の様々なご意見を踏まえ、特に文化部活動が子どもたちに果たしてきた役割を十分に認識しなくてはいけないと思っております。

教育課程内の活動では得られない横縦のつながり、人間関係の構築、とりわけ今の子どもたちは学校外での体験が非常に少ないというようなことがますます言われてきている状況で、部活動で得られる体験は得難いものであるというところに立ちつつ、そうは言いながらそういった部活動について、運動部活動の昨年度の議論の中で在り方について様々な議論・課題提示がされました。その中の多くは運動部活動に限らず部活動共通の課題ではないかと思います。

そういった課題を踏まえながら、また、学校全体の課題ですけれども、教員の働き方改革が今も言われているような状況でございます。

社会のあり方、今後の子どもたちの生活のあり方にも目を配りながら、子どもたちが部活動で得られる体験、あるいは成果、子どもたちの満足感、こうしたものは今後も大切にしながらこの話を議論していかなければいけないと思っております。

 

一方で、先程千葉県の話を言わせていただきましたが、運動部活動ガイドラインが3月に出て以降、各教育委員会、学校現場では、文化部活動については準じた取り扱いとして通知をさせていただいてございます。

そうして学校現場で既に取り組みされているという現状にも留意しつつ、今回の素案をまとめさせていただきました。

おそらく、関係者の方々も含め色々と議論があると思いますが、そうした議論を集約しつつ、できれば年内にもガイドラインを取りまとめ、各教育委員会のところにお示しできればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

長くなりましたが、開会にあたってのご挨拶とさせていただきます。

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

どうもありがとうございました。それでは議事に入る前に配布資料のご説明を事務局からお願いいたします。

 

 

 

●根来 文化庁文化戦略官

はい。それでは議事次第に書いてございます通り、本日は~(資料一覧の説明・中略)

また参考資料7といたしまして、「中学生は忙しい」というタイトルの資料がございますが、これはスポーツ庁が運動部ガイドラインの取り組みを行った後に、総務省の社会生活基本調査やベネッセ教育総合研究所の調査結果を元に作った中学生の1日の活動時間の目安でございまして、ここで部活動2時間というところを当てはめると、こういった形になるという資料でございます。以上でございます。

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

ありがとうございます。それでは続きまして、資料1~4につきまして、事務局からご説明をお願いいたします。

 

 

 

●根来 文化庁文化戦略官

それでは資料1~4につきまして簡単にご説明させていただきます。

既にメールでお送りしたものと同じ資料でございますが、資料1につきまして、今回のたたき台として出させていただきましたガイドラインの素案のポイントについて簡単にご説明させていただきます。

 

まず、現状といたしまして、本年3月に運動部ガイドラインが策定された際に、参考資料5としてつけてございますが、通知を都道府県教育委員会等に対して出しておりまして、文化部活動につきましても適切な運営のための体制整備、および適切な休養日等の設定については、当面、文化部活動の特性を踏まえつつ、準じた取扱いということを依頼してございます。

 

また、今回のたたき台となります素案の中では、対象とする部活動といたしまして、運動部ガイドラインに含まれていない所謂文化部、吹奏楽部や合唱部などの文化だけではなくて、例えば科学やボランティア、勉強部など様々部活動が他にもありますが、運動部以外の全ての部活動について今回括弧書きで『文化部活動』と表記いたしました。

今後、皆様のご意見を踏まえたいと考えておりますが、今回たたき台として出させていただいている素案として、対象としている学校は運動部ガイドラインと同じくまずは義務教育である中学校段階の文化部活動を対象とし、国公私立全ての形態に適用するとしております。

また、高等学校の文化部活動につきましても、原則として適用することとし、ただその際に、高等学校段階では各学校において中学校教育の基礎の上に多様な教育が行われていることについて留意することで、運動部と同じ対象としております。

 

次に、資料1の裏面でございますが、このたたき台として素案として書いてございます内容として、ほぼ運動部活動と同じでございますが、都道府県が部活動のあり方に関する方針を策定するとともに、学校の設置者においても方針を策定し、各学校の校長は毎年部活動に関する活動方針を策定するとしております。

また、校長は持続可能な活動や適切な指導・運営体制ができるよう適正な数の文化部を設置することとしております。

また、文化部顧問と書いてございますが、本体では文化部活動の指導者ともう少し幅広く書いてございますが、関係団体が作成する指導手引を活用し、短時間で効果が得られる指導を実施することとしております。

また、これも運動部と同じでございますが、学期中は週当たり2日以上の休養日、平日1日、土日1日以上、としております。

また、長期休業中は学期中に準じた扱いを行うとともに、オフシーズンを設けることとしております。

また、1日の活動時間は、運動部と同じくでございますが平日は長くても2時間程度、学校の休業日は3時間程度としております。

また、大会等の主催者は主催大会の参加資格や運営の在り方等を速やかに見直すこと、また、校長は参加する大会等を精査することとしております。

 

資料2につきましては、今申し上げた内容のもう少し詳しい概要でございます。

 

また、資料3でございますが、こちらは運動部ガイドラインと今回のたたき台としての素案を比較したものでございまして、下線が引いてありますのが運動部ガイドラインとは違う表現をとっているところでございます。

前文といたしまして、ガイドラインの作成にあたってというところではほぼ運動部とは異なる表記をしてございまして、4ページからの本ガイドラインの策定の趣旨から、12ページ目の「おわりに」の上までは運動部ガイドラインとほぼ同じような表現をとっております。

「おわりに」はまた文化部活動独自の書き方をしております。

 

そして資料4が素案の全体文になります。

以上でございます。

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

ありがとうございました。ご確認ですが、資料1の裏面の一番上のところ、「運動部」というところ、これは「文化部」ですか?

 

 

 

●根来 文化庁文化戦略官

申し訳ございません。「運動部活動」というところ「文化部活動」の間違いでございます。

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

それでは、資料についての説明を受けましたので、これから委員の皆様からご意見を頂戴するとともに、合わせて参考資料の方を見渡しつつご議論いただければと思います。

今日はご意見をいただいて、そして第4回に向けてまたさらに策定していくということになりますので、どうか遠慮なく委員の先生方からご発言いただき、本日は資料3が一番見やすくなっておりまして、運動部との比較もできますので、この資料3のページ番号として該当箇所をご指摘していただきながら、ご発言していただくということでよろしいでしょうか。

 

それでは11時40分を目処にして、1時間20分くらいございますので、特に今日はどこか限定で、ということに絞りませんので、各委員の方からご意見言っていただいて、また質問であればまた事務局の方からも答えられるところはお答えいただくということで。それではどの方からでもどうぞお願いします。

 

 

 

●妹尾 昌俊 委員(教育研究科、学校業務改善アドバイザー)

細かく見切れていない部分もありますがまたあとで発言させていただきますが、2,3口火を切りたいと思います。

少し重たいテーマ、重たいというほどでもないですけれども、大きな枠組みとして中学校を基礎に置いて高等学校も原則適用というのはスポーツ庁のガイドラインと同じですので、そこは違和感ないのですけども、問題は小学校の話かなと思っております。

小学校について、研究が多く行われていないかなと思うのですけれども、小学校の指導要領には部活動の記述はないとはいえ、実態としては合唱やマーチングバンドといった、小学校にも何校かありますし、一部の文化部活動につきましては中学高校さながらの非常なハードなものにもなっているというところがございます。

やはりここについても、中学校以上にもう少し考えていかないといけないだろうという方針は示すべきだろうと思っております。

皆さんのご意見をいただきたいところですが、中学校以上に小学校が深刻なのは、授業準備が大変というところであります。

国語算数理科社会外国語、それから体育図工音楽総合道徳、特別活動と行事、10個、11個の準備を、一部は専科教員がやっているという例もありますが、学校によっては1人の先生がやっているという状況であります。

それを考えますと、ぶっちゃけ部活動は教育効果があるのでしょうけれども、1時間、2時間、やはり授業準備にも使いたいとおっしゃる方は多い部分もありますので、小学校についてはもっと中学校以上に、平日2時間までならOKというものではなくて、むしろ地域に移行していこうという考えを示すとか、大会等につきましても相当見直していただきたいというところは申し上げていきたいと思っております。それが1点目。

 

もう1点、多分ほとんど研究がないと思うのですが、あとで必要であれば委員から補足していただきたいのですが、文化部活動の一部ではかなり家計負担がかかっているという問題、経済的負担、これについてもしっかり配慮しないとという当たり前の話なのですけれども、もちろん民間の習い事に比べるとレッスン料等はかからないという意味では安上がりではありますが、楽器を購入したり、一部遠征等もありますので、やはり運動部以上に一部かかっている部活もあると聞いておりますので、そのあたりはやはり子どもの貧困問題発見の難しさ等々ありますので、やはりそのあたりも教育行政、学校としても考えていくという話はしていかなくてはと思います。

 

この2点は大きく抜け落ちているように思いましたので、追記をお願いします。

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

追記をということですね。事務局からはよろしいですか。では他の委員。

はい、齊藤委員。

 

 

 

●齊藤  委員(ふじのくに文教創造ネットワーク 理事長)

よろしくお願いします。まず最初にメールでお送りいただいた素案を読ませていただきまして、文化庁の皆様には以前申し上げたことを非常に拾い上げてもらいましたこと、特に最後のキーワード「持続可能な形で子どもたちに幅広い芸術文化体験ができるように」ということが随所に盛り込まれており、全体としてはありがたいと申しますか、掛川市で行ってる地域部活動では部活動の良さをずっと未来に伝えていく、何しろ子どもたちがこれから新しい学習指導要領のことも言われておりますが、あと20年後、30年後、今の中学生が40歳ぐらいになる頃には、もうAIや人工知能が搭載されたいろんなロボットや機械化されたものが社会に出てきまして、明らかに昭和の高度経済成長時代とは違う、日本が最も活躍する時代が来ているわけですね。

そこに向けて新しくなにか創造性を発揮できたり、色んな意見を受け入れながら合意形成を図っていくとか、いろんなことがこれまでの昭和の時代のあり方から見直さなければいけないことがたくさんあるかと思います。そういう未来に向けて可能性を見いだせるような文言を特に後半に盛り込んでいただいて、ありがたく思っています。

と同時に、私どもが行っていることに対しての社会的使命を非常に感じております。

 

今日2回くらいは発言の機会があるかと思いますが、1回目の方でお話させていただきますと、今もお話しましたが、これは主に基本的に中学校に向けてというところで、全体としてはまとまっていると思います。

ひとつずつ言わせていただきたいと思いますが、妹尾委員からもご指摘ございましたが、私どもが掛川の地域部活動で行っている中で非常に大きな問題意識がありまして、それがあまりにも活動の経費、お金がかかる部活動になってしまっている、これが非常に重大な問題かと思っております。

学校部活動の良さ、いろんな子どもたちが経済事情にかかわらずみんなが参加できるという良さがあるにも関わらず、お金がかかるというのが大きな問題。具体的にいいますと、私、吹奏楽部の出身でして、まず楽器を買わなくてはいけないとか、何かと活動が過熱化するというか、あれもこれもやろうとすると当たり前にお金がたくさんかかるんですね。

では学校が予算を組んでいただけているかというと実はほとんどそうではなくて、実際は父母会、つまりお子さんの家庭が負担しているということです。

簡単に言いますと家庭の経済状況がある程度豊かというか、余裕がある家庭の子どもしかできない部活動に、少なくとも吹奏楽部はなってしまっていることが一番の問題でして、そこのことを考えますと私が申し上げたいことは、特に休養日の設定については運動部のガイドラインに則して設定されていると思いますが、休養日で枠組みをつくるというよりも、年間の活動経費で枠組みを作ったほうが部活動の方としてはいいのではないかと思います。

あれもこれも色んな行事に手を出すと大変な金額で、でもそうじゃなくて、より大事なものに絞っていくためには、活動経費、これは地域差や部員の数などいろいろによりますが、大体の基本の目安は定められておりますので、活動経費で設定するというのを是非させていただきたいと思います。

 

もう1点ですが、特に高等学校がそうなんですけれども、自分たちで部活に入りたいと思って入るように、吹奏楽部や合唱部もそうだと思いますが、一年間で一番大事なのは、自分たちがやってきた成果を発表する定期演奏会、一年に一回の大事な発表会、これを実際にやろうとしますと、はっきり申しましてガイドラインの平日1~2時間の平日1日休み、週末はどちらか3時間ということになりますと、定期演奏会の準備を始めるのが大体2、3ヶ月前から。となったときに、物理的にできないと思います。現場に大変混乱をきたすと思います。

なぜかといいますと、基礎練習だけではなく、楽曲の練習とか色んなことに時間がかかります。

特に子どもたちは演奏マシーンではありませんので、自分たちで作品に接して豊かに表現するには色んな導入時間が必要でして、

また演奏マシーンのようにやるのでなく、そのために企画から、工夫から、色んなことが伴いますと、とてもこの時間ではできないと思われます。

そこで私からぜひご検討いただきたいのは、このガイドラインに脚注みたいに注何番と書いてありますが、そのような形で吹奏楽部や合唱部が該当すると思いますが、具体的に書いてしまった方が良いと思いますが、難しい表現になるかもしれませんが、定期演奏会等を行う場合は、その準備から開催にかかる間は、休養日の設定に限定しないというか、柔軟な対応を許容する、といったことを、是非、脚注みたいな形で加えていただくと良いかと思います。

文化部活動は運動部の大会とは違いまして、特に定期演奏会は友達や家族、地域の皆さんを呼んで、一年みんなでやってよかったねという一番大事な場なんですね。

現実できないような運用にしてしまいますと、一番悲しむのは子どもたちではないだろうかと思いますので、どうかそこだけはご検討いただけたらと思っております。

すみません、長くなりましたけれども、最初の意見として申させていただきます。

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

ありがとうございます。他の委員の方。

 

 

 

●岸 信介 委員(一般社団法人全日本合唱連盟 理事長)

合唱なんかで言うと、コンクールなどの時期にはある程度詰めた練習が必要になってくるというところで、特殊な例も考えた方がいいと思います。

 

それから先程小学校の問題、中学校の問題一緒に出ましたけれども、今学校で音楽の授業がどんどん減ってしまっていて、そんな中でクラブ活動は合唱あるいは吹奏楽部などが主に音楽に触れる大きな機会だと思うのですけれども、ちょっと気になる場所なんですけど、資料2の「学校単位で参加する大会の見直し」のところ、「都道府県中学校文化連盟及び学校の設置者は」というところ、中学校文化連盟というのは全国的な組織であるんですか。あるんです。「参加する大会の全体像を把握し、大会数の上限の目安等を策定」とありますが、ここは合唱の関係から言うとあまりやってほしくないところなのですが、合唱連盟は来年から小学校の部の全国大会を始めようとしているのですが、確かに中学校・高校のガイドラインなんだけれども、小学校のことも少し踏まえながら検討していただけるとありがたいかなと思ってます。そのへんよろしくお願いいたします。

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

ありがとうございます。木下委員。

 

 

 

●木下 雅人 委員(静岡市教育委員会学校教育課教育課題係指導主事)

おそらく我々が静岡市のガイドラインを策定する際に、運動部も文化部も一緒くたに議論していたんですけれども、今齊藤委員や岸委員がおっしゃった内容のものも、運動部からもありました。

しかし、静岡市は中学校ベースで作ったんですけれども、大会前はたくさんできるように含めてほしいとか、競技によって時間がかかるものがあるので特例を認めてほしいという意見がたくさん出されたものです。

特に吹奏楽や野球に関しては、全体練習の他にパーツに区切った練習、野球でいいますとバッテリーの練習、打撃の練習、走塁の練習、コアトレーニング、ストレッチ柔軟等々あります。

同じように吹奏楽は音出し、パート練習、部分練習、全体で合わせる等々、それをやっていくと当然時間がかかるということです。

一方で、それを認めてしまう書き方をしてしまうと、本来このガイドラインが持っている使命感が薄まってしまうというような考え方もあり、特例をひとつ認めていくことが、結局今までと同じような感じになる、あまり変わらなくなってしまうという危険もあるのではというご意見も出されたところもあります。

ですので、今回、特例を認めたい気持ちは僕の中にも当然野球をやってきたものですからあるのですけれども、本当にそういう書き方をしていいのかな、という疑問はあります。

 

●丸谷 明夫 委員(一般社団法人全日本吹奏楽連盟 理事長)

吹奏楽、吹奏楽と出てくるんですけれども、なんやかんやおっしゃってますが、そんなに我々は悪いことをやってきているのかなという気持ちです。

現場から色んな声を聞きます。長い間かかって子どもたちも先生も、地域の方も一緒になってやってきたものが、急にこうやって、休め。強制的に。

大混乱しております。ずっと色んな形の資料を読ませていただいたり、問題点を見たりしていますが、やはり少し無理がある。

こういうことやろう、おっしゃっているように平日1日、休日1日休めよ、このことがあってこれに合わせないと○○(聞き取れず)というように私には見えるわけです。私にはね。

それも納得がいく話であればいいと思うのですけれど、あまり納得はいきません。

こうやって世の中が決まっていくのかなという、むなしさを感じるわけです。現場をいっぺん見ていただけたらいいと思います。

ある特殊な現場だけじゃなしに、チマチマチマチマやっておられる先生がいらっしゃったり、子どもたちと一緒に、先程も発表会の話がありましたけれども、時間を割いて色々やっているわけで、そういう中である部分だけ、たくさんのアンケートがあったにも関わらず、そういうところだけボーンとでてきたり、中にはもう悪意に満ちた、早く帰りたい生徒が帰れないみたいなことまで書いてですね。

先生が無理やり引っ張ってやっていって続けられるようなヤワな生徒じゃないです。

どんな生徒もみないです、放っておけますので、学校や他の方が決めて、そうやってやらないと生徒は守れないというそこらの考え方も僕は傲慢だと思います、大人のですね。

できるだけ子どもに歩み寄る方が僕はいいと思います。

息巻いて混乱する話で抑えてやるような問題だと私は思ってないです。

みなさんも、子どもが一生懸命やってる時に、もう無視っていうものが親でしたらですね、もう難しい○○(聞き取れず)がいいんですけど、やらせてあげたらいいんかなと思います。

一つのことに打ち込むということも大事なことではないでしょうか。

社会の不安が大きくこうやって変わって生むんでしょうか。

子どもの気持ちの方がよっぽど、もっと問題は別にあるんじゃないかなと思ってます。

具体的にどうするかは話し合うとしても、外から見てみるには、中学高校に入りこんだりしてると、このことで全国の中高生がどれだけ悲しんでるか、本気で考えていただけたらいいなと思っております。

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

はい、ありがとうございました。では妹尾委員から。

 

 

 

●妹尾 昌俊 委員(教育研究科、学校業務改善アドバイザー)

先程もありましたように、子どもが一生懸命頑張っていて、むしろもっと練習させてくれというのも多い中で、なんでこんな規制するのかという違和感がおありだというのはおっしゃる通りで、これはスポーツ庁の時にもご意見はあったと思いますし、僕は木下委員に共感するところはもちろんあります。

ただ一方で考えないといけないのは、一生懸命色んなことに打ち込むのが大事だというのはというのは全く賛成で、むしろそういう経験が子どもたちには少なくなっているのではという危機感も個人的にはあるのですけれど、一方で一つのことに打ち込んでうまくいく子もいるし、色んな経験をすることでうまくいく子もいるし、一つのこと一生懸命やると~ていう、なんていうか、昔のスポ根の時のような、皆さんで一生懸命やることについて合う子もいるし、合わない子もいるし、ということです。

ですから、僕も含めて皆さんの見られている生徒についてはかなり多様な生徒がいるんだけれども、ついついコンクールとかで上位に上がった子しか見ていないのかもしれないし、逆に僕は2つとかの方ばかり見ているのかもしれないし、それぞれ見ている景色が違うというか、ともあれ真実は色んな子がいますということだと思います。色んな子がいる中で、前に申し上げましたとおり、学校教育としてやる以上強制力があり、部活やめにくかったりとか、他の子も一生懸命練習しているのに私だけ週2日休めるように言い出しにくいところもありますので、やはり学校教育としてやる以上、一定の節度が必要でないかということもあって、こういう規制を考えてるということかなとは思います。

 

それに加えてあと2つ、本来部活動は指導要領にもある通り、生徒の自主的な活動ですので、こんな国のガイドラインなんか見なくたって、自分たちで話し合って、うちは週2日休むぞとか、うちは週3日だけの練習頑張るぞとかあっても全くいいんです。

しかし、続けてうまく行ったかといわれると、色んな負の側面が出てきた歴史というか状況認識だと思うので、学校任せとか生徒任せではうまくいく部分もあるんですけどうまくいかない部分もあるので、一定のルールははめようという意識かなと思います。

 

なぜうまく行かないかと言うと、2つあって、1つは競争しているからです。単純な話ですけれど。

よその学校がもっと練習しているのだったら、うちもコンクールで優勝するためにやっていくという競争原理が働きますので、自分たちだけでは中々抑制しにくいところがあるということです。

後でも触れますけど、大会のあり方等はとても大事です。大会前も大会以降も。

 

もう一つの理由は皆さん強調されているように、文化部活動を含めて部活動は教育的な意義があって、素晴らしいからこそ辞めづらい、教師にとっても生徒にとってもやりがいがあるし、やったらやったで成長するので、自分たちではストップかけられないのです。

こういう逆説的な部分があるので、それを理由に自分たちだけでは難しい、あるいは学校単位だけでも難しい。となると、ガイドラインは指導要領と違って強制力はございませんが、一定の指針を示すことで、みんなでルールとして守っていきましょうよと。

そういう趣旨でガイドラインを作るということだと思いますので、そこはできれば把握していただきたいなと思います。

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

はい。では千葉委員からお願いします。

 

 

 

●千葉 仁 委員(公益社団法人全国高等学校文化連盟 事務局長)

高校もそうなのですが、やはり学習とそれ以外の活動のバランスが大切なことなんじゃないかなと思います。

将来社会人になり、ひとつのことに集中して取り組んだり、専門家になったりしていきますけれども、そのためにも中学校高校段階では、少しバランスの取れたというか、理系文系とか昔は言われましたけれども、

今は学びの形態が複雑に絡んで、自分の進路の選択も複雑に絡んでる。ということはそのベースを中学校あたりにしっかり学習とか、興味関心のある活動、そういうものをバランスよく学ばせてあげたいということがあります。

ですから、様々な子がいて、ガイドラインではとても対応できない、ごもっともだとは思いますが、変な言い方ですけど平均的な中学生とか、そういう子どもたちのために必要なんじゃないかと思います。

 

それから、12ページの「学校単位で参加する大会の見直し」のところ ※1 なんですが、表記の問題かもしれませんが、「中学校の文化部活動に関わる全国組織」とか、「全国レベルの関係団体」とか、全国高校文連とか全国中文連とか組織がありますけれども、文化活動でいうとそれ以外の一般の団体という意味なのかなと思っているのですが、もしそういう意味ならば同じ意味かと思いますので、「中学校の文化部活動に関わる全国組織」、「全国レベルの関係団体」どう違うのかなと考えておりました。

 

※1 該当記述

  • 中学校の文化部活動に関わる全国組織及び中学校の文化部活動を参加対象とする各種大会等の主催者は、持続可能な文化部活動や大会等の在り方という観点から、学校単位だけでなく、単一の学校からの複数グループの参加や複数校合同グループの参加、学校と連携した地域の団体等の参加など、多様な参加資格の在り方や、大会の規模もしくは夏休み等の特定の時期に集中している日程等の在り方、学校職員以外の外部人材の活用などの運営の在り方に関する見直しを速やかに行う。
  • 全国レベルの関係団体においては、都道府県レベルの傘下組織において同様の見直しが行われるよう、必要な協力や支援を行う。
  • 都道府県中学校文化連盟及び学校の設置者は、学校の文化部が参加する大会やコンクール・コンテスト等の全体像を把握し、週末等に開催される様々な大会やコンクール・コンテスト等に参加することが、生徒や文化部活動の指導者の過度な負担とならないよう、大会等の統廃合等を主催者に要請するとともに、各学校の文化部が参加する大会数の上限の目安等を定める。
  • 校長は、都道府県中学校文化連盟及び学校の設置者が定める目安等を踏まえ、生徒の教育上の意義や、生徒や文化部活動の指導者の負担が過度とならないことを考慮して、参加する大会等を精査する。

 

それからその下の段の「大会等の統廃合等を主催者に要請」ともありますけれども、じゃあ誰がということになると、都道府県中学文連及び学校の設置者は、ということなんですけれど、実際、どういう形でやることになるんだろう、ということを今想像してました。

学校の設置者でしたら、実際どれだけの効力を持つんだろうか、という印象をもちました。

そこに文化部活動の指導者という言葉もありましたが、結局それは顧問、部活動指導員、あるいは外部指導者も含めてですかね、その辺のところもう少しきちんと説明してあげたほうがいいような感じがします。

 

もう1点、私よくわからないのですが、「学校部活動」って学校という言葉が入るのですが、確かに社会人にも部活動はあるのですが、「学校」必要なんですか。部活動ですかね。と思いました。すみません以上でございます。

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

はい、ありがとうございました。野口委員から。

 

 

 

●野口 由美子 委員(全国中学校文化連盟 理事長)

今回細かい部分もたくさん入れながらまとめていただいた文化庁の皆様に感謝いたします。

全国中学校文化連盟理事長という立場ですが、そういうのあるの?というくらいまだまだメジャーな組織ではございません。

今年度、18回目の全国の総合文化祭が長崎で終わったところなんですが、私たちの趣旨は、運動部のお子様たちのように目立つ場所はあまりないんですけれども、例えば一生懸命絵を描いてるお子さんや、一生懸命お習字を書いてるお子さんに、何とか光を当ててあげたいというところからスタートした団体でございます。

東京都の中文連には○○(聞き取れず)が中には入ってくださったのですが、NHKコンクールがあり、来年のコンクールがあり、一緒にやりましょうといっても、ご一緒に活動するところまでには至っておりません。

ただ、全国大会の時にはどこかの代表にはお願いしますと言うと出していただいている、そういったまだまだ発展途上の組織でございます。

ただ気持ちは、文化部で頑張る子どもたちに光を当てようという、単純ですが、そこが私たちの組織であること、ご理解いただきたいと思います。

今回ガイドラインの中に、中学校文化連盟という名前を入れてくださったことは本当に嬉しいです。ただ、責任はあまり、と思います。

吹奏楽のことも含めて、そこらへんがきちんと精査されているという組織ではないというところです。

ただ気持ちとしては、美術や演劇や、新聞教育や書写や色んな活動する団体が子どもたちのために一緒にやりましょうということで。

それと、世界中のお子様たちの中には、学校に行けない国がある、ご飯も食べにくい国もある、お水を汲みに行く子どもたちもいる、そういう中で日本の子どもたちはなんて幸せなんだろう、1つの運動、1つの部活動、1つの学校というふうに、こんなみんな頭を使って熱い議論している、そこは日本の素敵さだと思っております。

ですからこのガイドラインについては、私は賛成です。子どもたちに色んな機会を与えてあげたい。

まだまだ小学校、中学校、高校は子どもたちの途中段階ですので、1つのものに集中するのも大事ですが、色んな出会いがあって僕はこれが好き、私はこれが好きという風に活動範囲を広げてあげるというのも部活動の1つかなと思っております。

ですからある程度の制限、あまり一つの何かに無茶苦茶に飛び出してしまって、ということの意味を一緒に考えて子どもたちのために何ができるのか練っていくといい指針になっていくのかなと思います。

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

ありがとうございました。では横山委員お願いします。

 

 

 

●横山 恵子 委員(東京音楽大学 東京音楽大学大学院 教授(声楽))

文化庁の方にこの議会のお話を大変盛り込んでいただいて感謝しております。

多少、私が申し上げたことが抜けてるなあと思ったところもありましたが、また申し上げたいと思います。

 

まず、これが出ました時に、それぞれ中学校の現場の方がどう思うかということかですけれども、もちろん2種類ありまして、前から申し上げた通り、困っている方がおられるわけですから、亡くなってしまう方もおられるので、やはり出してもらって助かったという方と、こんなことできないと、2時間じゃとても練習できないと、2種類あるかと思います。

それを全部汲み上げていたら困るわけで私たちがこれを出す意味もありません。

そして私がお仕事させていただいて大変むなしく感じるのは、あ、強制力はないんでしょ、どうせ強制力がないんだからね、ペナルティもないしね、という意見も聞いたときに、やはりこれはどうしたもんかと。

やはりここはこれくらい厳しく書いて、困っている方、そしてやりすぎる方は少しでも考えていただくチャンスになっていただくということが大事かと思いましたので、基本的にこのガイドラインには賛成をさせていただきたいと思います。

そしてこの2時間という大変短い時間ではありますけど、先程の表で2時間以上それでは学校に帰る前にできるのかと、そして1015時間の授業の中の半分がそれであればそれは妥当なのではないか、そして絵に描いた餅のようになってしまい、守らない人は守らなくてもいいんだなとなってしまうと悲しいので、やはりもう一つ踏み込んだところで、ある程度の予算の問題を掲げるとか、教育委員会に対して、一番に生徒がいて、担当の先生がいて、校長先生がいて、教育委員会があってとだんだん上がっていくと思うのですが、そのどこの段階で、じゃあもしまた過労死が出たらじゃあ誰の責任になるのと考えた時に、こういうのは必要という風に思います。

 

それから、一生懸命やっている部活動というのが話題になっておりますが、揚げ足をとるわけではありませんが、一生懸命やるということと長時間やるということは別と思いますので、一生懸命やってもいいのですが、長時間やるということとはまた別なのかなと思いますので、基本的にガイドラインに賛成させていただきたいと思います。

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

はい、ありがとうございました。全員からご意見いただいて、さらにまた深めて意見いただいていきますけれども、私の方からお話させていただきます。

 

第一回目の会議で出し合いましたとおり、まずは前提として、運動部のガイドラインが出ました、そして文化部が後に出るということですので、当然ながら運動部ガイドラインと整合性が取れないといけません。

それがないと現場の先生方、先生だけでなく教育委員会も含めて、混乱してしまいますので、ある程度整合性というところ、これは出さざるを得ないというのがあると思います。

加えて、こちらが後に出ますので、運動部の方のガイドラインに書き込めなかった部分についてはこちらで拾っていくということを申し上げました。

 

さらに言えば、では運動部との違いの部分、文化部のとりわけ固有の部分があるのであればそれは書きましょうということを申し上げました。

事務局のみなさんにはそれを踏まえて書いていただいたということで出来ております。

 

まずは部活動の意義をしっかり押さえておく、しかもそれは学習指導要領に基づいてどうだというのもちゃんと書かれている。

その上で文化部はどうあるべきか、そして最後のところでは持続可能性も含めて、あるべき姿というのを描いてあるわけですね。

私たちの意見を含めて書いていただいたんじゃないかと思います。

もちろん、まだまだ私の意見が入ってないんじゃないかというのはあると思うのですけれども、まずはそのことを踏まえて今の状況はお伝えしておきます。

 

一方で、今日1巡目で色々お話いただいたように、いやこれではどうか、というご意見も伺えましたので、さらにまだ時間ございますので、委員さんの相互に賛成意見、あるいはガイドラインの何ページのここはどうなのかも含めてまた言っていただければと思います。

では2巡目行きたいと思います。いかがでしょうか。はい木下委員。

 

 

 

●木下 雅人 委員(静岡市教育委員会学校教育課教育課題係指導主事)

事務局に質問させていただきたいのですけれども、13ページ、最後、「平成29年6月に文化芸術基本法を改正し~文化部活動を取り巻く様々な課題に着実に取り組んでいく必要がある。」と書かれていますが、私たち静岡ガイドラインを策定するときも色々な風が吹き荒れ、今も吹いているんですけど、「文化芸術立国」を目指すために、文化振興は進めなければならない、でも学校部活動は縮小するって、矛盾しているように市民には映るんですね。

学校現場の一生懸命やってる先生にもそう映るんです。

それに対して僕らは、運動にしても文化にしても、それは軽視しているわけではありませんよと説明したところで、分かってもらえないんですね。

私たちがこの議論をする中でカウンターパンチをくらったのは、じゃああなた達はこれからの子どもたちの体育的な活動、文化的な活動をどう考えてるんだ、と聞かれた時に、ビシッと言えなかったんですね。だからオブラートに包んだような言ってるようで言ってないような曖昧な言い方をして、それでさらに炎上してしまった。

つまりスポーツ大切に考えています、でも部活はこうしますって、やっぱり矛盾しているように思われてしまうんです。

そこではっきり示さなければならないのは、将来像を、疑問を持っている方に説明するか、それはこれまでの長い日本の歴史の中で、部活動が子どもたちに担ってきた役割があまりにも大きいからだと思うんです。

例えば大人になって、最初の会話する時に、部活何やってたみたいな話になるじゃないですか。それだけ僕らの中には部活が心の中に棲み着いているんですね。例えば松坂世代と言っただけでああ、あの時の、みたいな話になるじゃないですか。

そういうところって一般的に染み入っているもの、その染み入っているものを抜き取るのがものすごく大変なことで、じゃあこれから子どもたちに何してくれるんだみたいな、そういうところがはっきり見えるようなものを、ガイドラインを策定するのと同時に見せていかないと理解が得られないと思います。

 

それから、私はこの仕事をすることになったとき、個人的にはものすごい抵抗がありました。ものすごいというと小さく聞こえますが、滅茶苦茶抵抗がありました。しかし私は仕事だと思ってやってきたんですね。

しかし、いつしかそれが、ああもうこうするしか無いんだと諦めるようなになってきたんですけど、そうした時に新たな気持ちが出てきたんですね。

この部活動が持ってきた、今まで僕たちのからだの中に染み込んでいる意義を無くさずに、子どもたちにスポーツ環境や文化環境を提供するにはどうしたらいいだろうかと。

今それについてどうするべきか考えているんですね。つまりもう僕の頭の中でガイドラインは小さくなっているんですね。

それよりも学校部活動がこうなっているという時に、スポーツ環境の整備、文化活動の整備をどう進めていけばいいのかと、それで掛川の取り組みであるとか、新たな場を提供するであるとか、そうしたものに対して市民や疑問を持っている方にきちんと示していかないと理解は得られないと思うんですね。

そこを文化庁はどう考えているか、もし具体的にあれば教えていただきたいと思います。

 

それから先程お話ありましたが「学校部活動」の「学校」をつけなきゃいけないか、というのというのもヒントになるんじゃないかと思うんですね。

学校部活動だから色んな問題、弊害、課題が生じていて、競技未経験の先生が長時間やっていけないもの出して新聞沙汰になるとか、そういうことも含めまして、将来像について文化振興の観点からどう考えているか、具体的に説明していただきたいと思っています。

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

では、これについて答えていただいてよろしいですか。

 

 

 

●坪田 文化庁参事官(芸術文化担当)

高尚なことを言うわけではないですけれども、時間数の目安を示すということが、決して部活動を否定しているわけではありませんし、きちんと読む方はそういう話は思わないだろうと思っております。バランスをもってやっていくこと。

分かりやすく言えば、むしろ平日1日休みあるんだ、休日1日家族と一緒に過ごしたり、自分の好きな他のことができるんだと思うことによって、その部活に入ろうとすることが増えるんじゃないか、だから時間数は減るけども参加者数、関わる人、触れる人が増えていくということで、部活動がますます活性化していく姿を見せることができるんじゃないか、とか、外部センターなどを活用してこれまでにないジャンルの文化部活動をその学校に設けることもできるんじゃないか、など考えると、縮減どころか活性化していくという説明の仕方もできますし、そういう道を描いていくことも可能じゃないかと思いますので、全体最適の流れ説明をしていただければ、行政の担当者と話していけば、それぞれ分かっていただけると思いますので、説明は一緒に考えていきましょうと思っていますけれども、私たちも施策として芸術教育が移管されたことも含めて、授業そのものの音楽、図画工作、美術なども今後中身のほうはもっと多様な形、将来に渡ってやっていける形に工夫していこうとして考えています。

 

全体として、芸術および文化部活動全体は活性化していきたいと、国がそう思っていることは間違いないということですので、自治体もそういう工夫と相まって、それぞれの特色がある地域の文化資源と相まって推進していくということで考えています。

 

また個別には、このジャンルについてはどういう説明をするかとは一緒に考えていくことだと思いますし、国がどのような役割を持って推進できるのか考えていくところがあると思います。

全体としたそういうところで、矛盾しないと考えております。

 

 

 

●内藤 文化庁審議官

補足させていただきます。文化芸術の振興を国、地方においてますます推進していこうという中で、これを出すということについて、矛盾しているんじゃないかという話について、スポーツの時にも言われていると思うんですけれども、今の部活動は先生と保護者の多大なるボランティア的な貢献によって支えられてきている、そして多分運動部活動の時に議論あったのは、これって今後は持続していけるんでしょうか、昔もやってきたから今も続けられるんじゃないかという議論あるわけですが、社会全体が大切なことならいくら犠牲を払ってもいいということは、例えば我々公務員の仕事についても言われている中で、重要な仕事だから何日も徹夜してもいいというような状況ではなくなって、公務員にも働き方改革が求められている状況がございます。

そういった、社会も大きく変わっていく中で、本当に今のままの部活動で持続可能なのでしょうか、持続可能でないということはある日突然破裂してしまう可能性があるということで、今後とも今この子どもたちが享受しているこの活動を続けていくためには、やはりここで見直しを図る必要がある、これはスポーツの時にもあった議論ですよね。そういう話だと思います。

文化芸術立国を目指すためにこの基本法ができたわけですが、もちろん文化部活動をやっている子どもたちばかりではないわけですから、文化部活動以外の教育課程内の国ともしっかりやっていかなくてはいけないわけですが、今後、クール・ジャパンとか、様々な文化芸術の基礎を置いたような日本の良さであるとか、新しい社会が生まれている中で、文化芸術の基礎を子ども時代に築いた子どもにより可能性が広がっていくことを考えると、文化芸術の基礎を子どものうちに十分に作っていくのは重要なことだと思っております。

スポーツについてもそのことが言われてきて、生涯に渡って長寿社会になっていく中で、健康で居続ける年齢を伸ばしていくために、子ども時代にしっかり体力を身に着けていく必要がある。

だから子どものときから健康で、運動ができるような環境を作っていくと、これも学習指導要領に書いてあるわけですが、そういったことも含め、健康な運動習慣を作っていくというために、運動部活動の重要性は変わることはないというところに立っていて、運動部活動に比べて文化部活動のそのあたりの構成が出来ていなかったという面は私たちとしても認めざるを得ないところですので、文化芸術基本法に基づいてそのあたり特に、文化部活動に触れることの意義はさらに充実して考えていけないかと考えておりますが、運動部活動と同じように文化芸術についても子どもの時に触れていく意義は変わらないし、文化部活動の意義自体についても全く禁じられるものではないけれども、文化部活動を将来に渡って続けていっていいかというのはまた別の問題、大切だからこそ、そのあり方について今考えていくべきではないかと私としては受け止めております。

 

すみません、公務がありますのでここで失礼させていただきます。

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

ありがとうございました。決して相反するものではないということですけれども、有効にこのガイドラインを活用すれば文化芸術振興にも役立つことは可能であるというご意見だったと思います。ありがとうございました。

では他の委員から。

 

 

 

●妹尾 昌俊 委員(教育研究科、学校業務改善アドバイザー)

先程のやり取りとも関連すると思いますが、雑駁な感想というか、今大きく2つの方向性の話をされていて、ひとつは文化芸術活動に親しむ裾野を広げていこうみたいな、たくさんの人に親しんでもらえるように子どもたちにしていこうというベクトルが1つある、もうひとつは文化芸術活動のレベルとか水準を上げていこうという部分があって、横と縦で考えたらいいと思いますけど、ガイドラインとか文化庁さんの施策、文科省さんの施策の中では、色んなものが両方のベクトルに働いています。

例えば部活動指導員は文化芸術活動の水準を上げようという方向にも働きます。未経験の顧問がやるよりもいい指導ができるという意味ではそうです。

ただ、活動時間を規制しようというのは、一見すると文化芸術の水準を下げても止むなしという風に見られる、というご意見だったと思いますけど、そういうご意見もあるし、いやいや長い時間をやることがスキルアップとは限らないというご意見もあって、このあたりが実ははっきりはしておりません。

一方で活動規制することでむしろ裾野が広がるというベクトルに働くかもしれない。

あとは大会を見直してほしいと僕が何回も言ってるのは、僕はぶっちゃけある程度文化芸術の水準を若干落とすことになるかもしれないけれども、過熱化を抑制するために非常に重要なので、という意味で言ってます。

もちろん考え方色々あるでしょうけど、限られた時間を有効に使うためには、水準も高めで裾野も広げるというベクトルが一番ですけれども、そういう施策ばっかりはできないですし、側面も色々あるので、やはり何かを我慢せざるをえないというのは考えるべきだろうなと思います。

 

もう一つ考えていただきたいのは、スポーツも一緒ですけれども、文化芸術活動の水準を高めるのはやったらいいと思いますが、個々の子どもにとってはプロを目指したとか、その道で生きていくと考えると、今でも民間との住み分けがあるわけですよね。

スポーツでいうとアスリートの育成というのと、学校と部活動はそこまで行くかというと、そこまで目指してるわけじゃない。

高校の一部は別でしょうけど、裾野を広げていこうというベクトルを強くすべきだというところですとか、文化芸術活動の水準を高めようとしてきたり、長年の意義はあるのですけれども、それが過熱化を招いている部分はあるので、もう少し下げてもやむなしと考える。そういった考え方でもう少し整理しながら考えていかなければならないのですけれど、両方の方向性があるということは申し上げたいと思います。

 

ついでに申し上げますと、スポーツ庁のときも話をしましたが、横山委員から、強制力がないので守ってくれないとむなしいね、というお話があったと思いますが、結局ガイドラインの実効性、効力を高めるためには2つのことが大事だと思います。

 

1つは私立の学校をもっと巻き込んでいくということ。これはスポーツ庁のところもまだまだ弱くて、部活動指導員等の施策は公立学校、特に公立中学校を対象にしたものですので、アメとムチという言い方はいけないかもしれませんが、部活動指導員の予算を取るためにはガイドラインを守っていかないといけないという規制を兼ねてますので、私立はそういったことが働きません。

とはいえ私立も賛同していただかないとこういうのが中々うまくいきませんので、これをどう考えていくかというのが知恵の絞りどころです。

 

2点目、1点目とも密接に関わりますが、何度も申し上げる通り大会コンクールがやはり数もあって、しかも小学校も全国大会をされるということに水を差すわけではないんですけれども、その辺りを見直していかないと練習はハードになります。

見直すことは不可避であろうと。数を見直したり、全国大会まで必要なのだろうかということも議論をしないといけない時代にきているんじゃないかなと思います。この2つを、ガイドラインを作っておしまいではなく、しっかりやっていかないとなと思います。

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

ありがとうございました。それでは他の委員いかがでしょうか。

 

 

 

●齊藤  委員(ふじのくに文教創造ネットワーク 理事長)

今妹尾委員がおっしゃっていただいた2つのベクトルというところに関しまして、私は基本的に賛同いたします。

その中で、1巡目で私が休養日の設定は脚注をつけてほしいと言ったことに関しましては、もう一つ掘り下げてお話したいのですが、私は、それは大会に対して認めてほしいといった主張ではございません。

子どもたちが年1回の活動を発表する機会というのは、特に高校の例でいいますとほとんどの学校が定期演奏会をやっております。

それは必ず水準を上げるとか基礎を、という意図ではなく、自分たちで色んな企画をしながら、色んなアイデアを出し合いながら、色んな演出を考えながらやっている、実にクリエイティブな活動なんですね。

そういうことを子どもたちが先輩後輩色んな子とやることにとても意義があって、はっきりおっしゃって私は大会に対して特別を認めてほしいと言ったのではなく、大会が過熱化を招く方向に行く危険性が高いというのは妹尾委員のおっしゃる通りで、そうではない定期演奏会というのは、家族友達、地域、学校の仲間、中学校の先輩後輩とか、色んな皆さんに触れていただく非常にいい機会で、子どもたちが仲間たちとやれてよかったなと思える実にいい場で、その場を、本当に申し訳ないのですが、時間設定を厳守していくような感じになりますと、現実的にできない、という現場の実情があるのは確かです。

私は今高校しか言っておりませんので、もし差し支えなければ次回の会に先駆けて明確な資料で提示したいと思っております。

ですので、私は必ずしも過熱する方の大会のために時間を認めてほしいと申しているのではありません。

そこはお汲み取りいただければと思います。時間のことで言いますと、この対比資料のP2の8行目ぐらいに、「休養日や活動時間を適切に設定するなど生徒のバランスのとれた生活や成長に配慮することが必要である」と一旦触れております。

その次に資料の3ページ目の14行目あたりにも「生徒のバランスのとれた生活や成長に配慮し、一定の休息をとりながら進められるべきである」とあります。

極端なこと言いますと私はこの2つもう十分盛り込まれておりますので、どうしても平日2時間、週末どちらか3時間ということを明記することが避けて通れないのであれば、例えばその辺りを目安とするとかいうことでも、私個人の意見ではそれでも良いのではないかと思います。

十分にこの文言で配慮できることではないだろうかと。でもそれでは際限なくなっちゃいませんか、というところに対し、1つの目安とするのが、私が先程言いました、活動経費の目安を定めるという考え方です。

これをやらないと、本当に際限なくなる可能性が高くて、色んなイベントに出ていく度にものすごいお金がかかる、特に吹奏楽部がそうなんですけれども。

ですのでこの活動経費を以て上限の目安を定めることによって、必然的に絞らざるを得ないということになります。

そうした後、私学と公立の格差も埋めていくということもできると思います。

何よりも最初に言いましたが、家庭環境がある程度余裕のある家庭の子どもしかできない部活になってしまうんですね、ここに歯止めをかけないと。

これもはっきりとした資料を次回までに提出させていただきたいと思っておりまして、こちらで上限を定めれば、2ページ目3ページ目の適切に休養を取るということが含まれていれば、休養日の設定で具体的な平日と週末の時間まで極端には書かなくてはいいんじゃないかと思いますし、この点は申し訳ありませんが、賛成できません。

どうしても時間を書くというのであれば、脚注で、これは明確に書かなくてはいけないと思うのですが、特に年一回の発表会に限り柔軟にしてもいいんじゃないかということを、脚注に書かれたらいいと思います。

ここははっきり書かないと何でもアリになってしまい、何のイベントでもそれに適用できると思ってしまう。私はそこに大会に含まれるとは思っておりませんので、そのように申し上げておきます。

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

ありがとうございました。他の方いかがでしょうか。あと15分ほどあるのですけれども。

 

 

 

●丸谷 明夫 委員(一般社団法人全日本吹奏楽連盟 理事長)

先程木下委員がおっしゃったことが本音かなと思います。

本当にみなさん思っておられるのかなという気がですね。もちろんその立場立場で喋れるのがいいなと思います。

だけど私は立場というよりも現場の子どもたちや先生を見るにつけ、先程から申し上げてる。少しおかしいなと思っています。

様々な形がありますから、様々に対応したらいいと思いますが、真ん中でこのぐらいで、というのが一番まずいことで、できるだけ広げてやりたいようにやらせば、いやそんなことしたらもっと際限なくなってしまうとおっしゃりますが、それほど、現場というのはいい加減なことではなくて、必ずその中で色んなことが起きまして、上手にいい塩梅になっていくんじゃないかというのが、50年ほどしか見てませんが、私個人の、現場では、そう思います。

いち早く、今こうやって決めなくてもというのがあるんですが、かたや、こういう会議ができて、こういうことをやって、特に何か出さんといかんでしょということでやっているんですから、僕から何か出さんといかん。親しく話をしたらいいんですけど、そういうことからすれば、過去2回の話を踏まえてやっていただいてることについて、中々、最初の当初の形から変えていくのは難しいことだと思うのですよね。だけども少し譲ったり、少し相手のことをこん中から垣間見ます。大変な努力をやっていただいてるなと思います。

2,3、気になって、現場ではそうじゃない、違うかなと思うのですが、妹尾委員がおっしゃった、裾野を広げる、レベルが少し落ちても、とおっしゃるのはよくわかります。

だけども、一週間の中で休んだりすることが、その後裾野を広がるようになるのか、もっと色んなことをやれば本当に広がるのか。

今はどっちかと言うと、裾野は広がってるけれどもレベルは上がってないと僕は思ってます。あまり上がってないと思います。

それはそれでいいと思うんですが、休みがあると入ってくる、休みがないと入ってこないというというような中高生が少ないと思います。入ってから色々なことありますけど。

今は夢中になります。夢中になることが、努力にも優るような気がいたします。

 

もっともっと問題になってるのが、ご存知のように、スマホにあるゲームやその他の方が問題で、この後は大変なことになると思います。こんなこと○○(聞き取れず)られないと止めたらいいわけですが、そんなところやないような問題が現場では起きております。

 

そんなことも含めまして、1つは、比べたくないのでいいんですけれど、吹奏楽だけにとっていっても、他の分野でもそうですが、私立は、子どものために良くて、公立は子どものためには悪いというようなものが無いとすれば、同じようにやった方がいいですよね。

これは競争とかそういうこととは別に、と思います。

高校で特に思うんですが、様々な形の高校があるわけで、ちょっとここは後に残されるとどうかと思うのですが、家に帰っても誰もいない。どっか行け言っても行けない、休め言っても休みにくい。そういうことを学校で○○(聞き取れず)てる。

1つの学校の中にもそういう子がいて、どちらかというとそういう子が多い学校。ほっといてもみんな勉強もするし、色んな学校がある中で、文化というものについて休みなさいとかこうしなさいとか、そんなことは学校に任せたらいいのではないかと。

 

ご存知だと思いますが、初代の、文化庁の今日出海さんですか。文化というのは政府が1つの方向を押し付けるものではないと最初におっしゃっていましたよね。僕はそう思うんですよ。

僕は立場として仕方ないと思うのですが、今の範囲の中で精一杯よくやっていただけたらなと思います。

こんなところでそういう話をお立場で皆さんがそういう風に言われるのは、僕はいいと思いますけれども、本音でそうであれば教えてほしい。限られた時間ですけれども。私としては、締め付けていくと聞いて、納得していけません。はい。

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

はい。では続いて横山委員から。

 

 

 

●横山 恵子 委員(東京音楽大学 東京音楽大学大学院 教授(声楽))

妹尾委員のおっしゃった、私立を巻き込むというのは賛成で、私が一番最初に申し上げたと思うのですが、少子化の煽りを受けまして、私立が、学生がほしいということで、どんどんやれと、これを目指してくるようにしろと過熱したこともあったと思いますので、公立の方がそれに負けてたまるかということでやり始めたことも過熱の原因の1つになったとも言われておりますので、私立も巻き込むというのは賛成です。そこに補助金ですとか、ある程度の強制力、これが絵に描いた餅にならない、ちょっと怖いなと思っていただかないと、国が出すことというものは、現場の先生からいうと遠いところで言ってるような感じになりかねませんので、遠い親戚よりも近い他人を○○(聞き取れず)というのがありまして、校長先生の言うことの方が怖いと、どんどんやってくれなんて言われると、断りにくいということもありますので、ある程度ガイドラインに私立のことも、助成金のこと等も、強制力はありませんけれどもある程度つけたらいいかと思うのが1つです。

 

それから齊藤委員の、1つは1年間に発表会はいいのでないかと、その時は無制限というか、2時間の枠を外した方がいいのではないかということですけれども、お気持ちは分かるんですけど、1年間に1つというのは私のようにひねくれた人間はですね、地区大会があり県大会があり関東大会があり全国大会があると。じゃあどこか1回なのかと。

これはどこが1回なのかと。1つの、1つの合唱のコンクールであるとかなったとき、これはほとんど1年間かかるんですよね。

そうしたら、取りようによっては1年中やってもいいという風に取れかねませんので、そこはご議論いただきたいと思います。

本当に両方の意見がありますので、落とし所というのは大事で、そこを見つけていきたいと思っております。以上。

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

ありがとうございました。では野口委員から。

 

 

 

●野口 由美子 委員(全国中学校文化連盟 理事長)

今、お休みの日と時間のお話が出てると思うんですが、中学校現場で言えば、例えば美術部は月火水木4日間やりましょうね、2日間は休みましょうね、これはあまりきつい縛りではないと私は思うんですね。活動時間も大体授業が3時何分まであって、その後お掃除当番をして、さよならをして、大体部活動が始まるのは4時なんですよね。

で、4時から2時間やったらもう6時ですよね。3時間やったら7時ですよね。下校時間、真っ暗になっちゃいますので、これ以上いっぱいいっぱいやるというのはきつい、2時間3時間というのは妥当な線だと思うんです。

そんなに厳しい制限を立てているという風に私は感じない。いい線なんじゃないかなと思っております。

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

はい。他の方。あと5分位ですけれども。

 

 

 

●齊藤  委員(ふじのくに文教創造ネットワーク 理事長)

すいません、私の言葉足らずがありまして、私が先程脚注を付けたら、と言ったのは、もう明確に年に1回の定期演奏会に準ずる発表会のことでございます。

コンクールとか色んな大会各地域のフェスティバルのことではないです。そこははっきりと明確に、1年に1回だけとか、明確に書かれた方がいいんじゃないでしょうか。

それに対してお話ございましたが、平日は2時間か妥当かと思いますが、やはり1つの演奏会とかを皆さんに見せたいと思ったら、先程も言いましたがやはり休日3時間だけ、土日どちらか休みというのははっきり申しまして現実的では全くなくて、恐らく不可能という話になり現場が大混乱になるかと思います。

ですので、決して否定するのではなくて、というところではなくて、ご理解、私の意見ではございますが、お汲み取りいただければと思っております。

 

あと1つ、懸念されるのが、時間でもし制限という枠をかけると、よろしくない言い方かもしれませんが、指導者の下に子どもたちが演奏マシーンみたいになってしまうんじゃないかという懸念が非常にします。

具体的に、楽器を形つくってお客様に見せていただくためにはどうしても必要な時間を、となりますと、マシーン、機械になってしまう。役割を演じて、何とか自分でこなして精一杯やりました終わりという感じのものになりかねないと思います。

子どもたちが自主性・主体性を発揮して、自分たちでそこに気持ちを乗せて、思いを乗せてやるには一定期間以上の活動が必要でして、先程も申しましたように年1回というようにはっきりと限定した形で明記すれば、私は大会の意味しておりませんし、地域のイベント活動をそこに乗せるという考えは全くもっておりませんので、どうかそこを1つ付け加えさせていただきます。

 

あともうひとつ、ごめんなさい、時間を区切ることが運動部のガイドラインでやった時にやはりスポーツ科学、子どもたちが怪我したり色んな病気になったり、色んなことが具体的な統計によるものがあるかと思います。

どこかで一度、文化部活動においても長時間やってきた活動も多々あるかと思いますので、それが年数を経て、色んなからだの不調になったとか病気になったとか、色んなことの調査を一回されてみてはいかがだろうかと思うのですね。

スポーツの方向では時間を区切ることの一つの理由になっているのがからだを壊すからというのもあるかと思いますので、じゃあ文化部ではそれがどうなのか、私も関係者にいくら聞いてもですね、周りにそういう方ほとんどいないんです。

でもそういうことが問題視されているケースもございますので、時間を区切ることの根拠として一度そういう調査を公にされてみてはいかがでしょうか。

私は時間で区切るよりも活動経費で上限目安を定めたほうがよほど実効性のある有意義なものになるのではないかと考えております。

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

はい、ありがとうございました。では横山委員。

 

 

 

●横山 恵子 委員(東京音楽大学 東京音楽大学大学院 教授(声楽))

8ページの下から3つ目の表記 ※2 ですが、保健体育の先生にご相談するということにございますが、文化部の「女子」となっておりますが、これは女子に限ってということでなくて、からだとこころでなくて、文化部の場合は概ねこころとからだということですので、女子だけなのでしょうか。

 

※2 該当記述

また、専門的知見を有する保健体育担当の教師や養護教諭等と連携・協力し、発達の個人差や女子の成長期における体と心の状態等に関する正しい知識を得た上で指導を行う。 

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

8ページの、下から3つ目の、女子のと書かれているところですね。

 

 

 

●横山 恵子 委員(東京音楽大学 東京音楽大学大学院 教授(声楽))

専門的知見を有する~というところです。体育の方は分かるんですけども、文化部の方も女子に限定するということでしょうか。

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

こちら今事務局からお答えいただけますでしょうか。

 

 

 

●根来 文化庁文化戦略官

確かに先生おっしゃる通り、運動部の場合ですと、生理の問題を念頭に置いて書かれていると思うんですけど、文化部の場合は性別問わず、からだとこころの状態に対する知識というのは大事だと思いますので、「女子」は落とさせていただきたいと思います。

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

はい。ではこのところは少し検討していただくということで。

 

 

 

●丸谷 明夫 委員(一般社団法人全日本吹奏楽連盟 理事長)

はい。これも。

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

はい。

 

 

 

●丸谷 明夫 委員(一般社団法人全日本吹奏楽連盟 理事長)

中学校と書いてあって、原則高校も、となっているところで、少し違うで、というところが見えるんですけど、そういうときは。

 

 

 

●根来 文化庁文化戦略官

今ご指摘いただいた点は、運動部と同じように書かせていただいてる書きぶり ※3 なんですけれども、5ページの真ん中あたりの、下から3つ目の箱のところで、「本ガイドラインの基本的な考え方は~」というところかと思いますが、高等学校団体の部活動においても原則適用とあるんですけれども、「その際~」というところが、まさに中学校よりも少し裁量に任されているところが大きいとか、自由度が高いとか、もっと自主的自発的な配慮で文化部活動に臨む生徒が多いと思いますので、その際多様な教育に留意するということで、中学よりも幅広く認めるべきだと繰り返して書いてございます。

 

※3 該当記述

本ガイドラインの基本的な考え方は、学校の種類や学校の設置者の違いに関わらず該当するものであることから、高等学校段階の文化部活動についても、本ガイドラインを原則として適用し、速やかに改革に取り組む。その際、高等学校段階では、各学校において中学校教育の基礎の上に多様な教育が行われている点に留意する。

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

よろしいでしょうか。ということで委員の皆さんからご発言いただきましたがお時間来てしまいました。

記録をしておりますので、この後は事務局の方で精査していただきますが、ここで総括的に今までのところを踏まえて事務局からよろしいですか。

 

 

 

●坪田 文化庁参事官(芸術文化担当)

ありがとうございます。1時間以上討議されているかと思いますけれども、改めておさらいの部分も含めて、論点いろいろ示せるかなというところと、現場、子どもにという部分がにじみ出てくるご意見もありましたので、我々も踏まえ掘り進めていくということと、もう一つは先程根来からもありましたが、既に運動部活動ガイドラインができている、その整合性です。座長からもご指摘ありました。

じゃあ文化部活動はなぜ違うことになるのか、対外的、文化部活動に造形深い方も、そうでない一般の保護者の方も、あ、なるほどね、と。それなら文化部活動は運動部活動と違っていいね、と思えるがあればいいのですけれども、違わないよね、となると、同じ学校でこっちは休んでこっちは毎日やってると、それで保護者間も子どもの間も大丈夫なのか、と。

それをいうと、差がない部分はできるだけ同じようにしたい。校長のマネジメントからしてもそういうことがよろしいのではないかと思っています。

教員・教師という事柄も、文化部活動だけ無休でやってもいいというわけではないという、そういう原則を押さえつつ、じゃあ子どもの方はどうかというと、議論ありましたが、運動のスポーツ医科学の知見が確かに文化部活動にもという話があるわけでもありませんし、調査といってもそう簡単に調査できるものではないと思います。色んな経験則とかを踏まえるしかないと思っていますので、3年間無休で部活動やってバーンアウトしちゃってその後一生それに携われてないという方も周りでよく話を聞くので、メンタル面への影響含めて色々あるのではないかと思っています。ただし○○(聞き取れず)で話はない。

そういう意味では時間の問題です。子どもが1日、1週間、1年間で過ごす時間でどれだけ文化部活動をやっていることが、達成感との兼ね合いでもいいのかという話、もちろん上達したいという気持ちはみなあるわけなので、人に認めてもらえて拍手をもらえたり、親も感激してもらいという気持ちで色んな練習や稽古をされていると思います。

ほとんどの時間をそれに使っている、勉強の宿題とかも合わせたら寝る時間も削って毎日やってる状況が、将来に渡った○○(聞き取れず)も含めていいのかということになると、そうではないのではないかと思いますし、我々文化庁の立場としても、インプットする機会を捉えていないのではないか。

音楽をやっていても芸術鑑賞を単に演奏会だけではなくて、いくつかの美術館を見に行って、様々な美しい芸術に触れて、これは自分の曲想というか、様々なものを演奏に活かしていくという気持ちになって、またアウトプットというか、練習に励むというサイクルが無いといけない。

人間国宝などの方々は、あえてまだまだ未熟だという思いで、さらに研鑽を積むために様々なジャンルの芸術活動の造形に触れてまた自分の作品に磨きをかける。

これは子どもたちも同じではないかということで、家族と旅行することも大事だろうという風に思いますので、土日がなくて、夏休みもなくて、家族と旅行に行って、音楽祭に行って家族と一緒に楽しむことができなくていいのか、とトータルで考えないといけないのかなと考えてまして、もちろん睡眠、食生活とのバランス、食事をするという原則も踏まえつつ、時間で考えると同じ中学生として大差ない話ではないか。という意味で言うと、時間は運動部活動と同じ時間制限は妥当性を欠くものではないと思っています。

それで、先程のコストの話で規制強化というのはよくイメージ沸かないんですが、ジャンルは違うし色々どれだけ○○(聞き取れず)するのかという、お金の話というか大激論になる話で詰まっていかないので、できればそれは各文化団体である程度の目安をジャンルごとに検討して実績を作っていくしかなくて、国とか自治体側で一律で作っていくことは難しいと思いますので、時間の目安を示していただいて、子どもたちの心身のバランスを常に心がけていただき、教師の働き方改革を常に念頭にいただいて、教師もいきいきと翌日の授業研究、準備をしっかりできる形で放課後を終えていただくという思いにも最大限配慮し尽くす。先生にもバランスを取っていただくと1つの目安というのは妥当ではないかと思います。

 

あと私立については、運動部活動は別に排除は全くしてなくて、記録によると明らかに私立、設置主体を問わずと言っているのですが、我々の方ではそういうことも踏まえて、また議論も生まれて、本文、本体にも国公私立ということで私立も含めて、明示的に書きたいと意見を踏まえてまたさらに思っているところでございます。

私立の巻き込み方、国が示すことで実際に巻き込めるかはまた別問題ですので、地域で、また私立の中で色んな残業時間あると思いますので、その判断は判断力のある○○(聞き取れず)ではなくて、ちゃんと手続き、しっかりと一緒にガイドラインを守りましょうよという話をしていただくような機会を設けていただくのがいいのかなという、そういう関係性の中でやっていくしか無いのかなと私は思っています。

 

また先程もありましたが、例外規定みたいなのを設けていきますと、おっしゃる意味はわかります。ですが、コンクール、競争ではなく一定の発表の機会のために一ヶ月間打ち込むようなときは外してもという気持ちは分かりますが、それも分野ごとにそれが例外か、ジャンルごとに色んな思いが入っていくとということもあります。

そもそものガイドラインにさらに例外を作ると、ガイドラインが更に弱まる薄まるということもありますので、全体の文章は工夫するところがあると思いますけども、納得がなるべくいける形で全体の構成を深めていきたいと今のところは考えていきます。

 

あと文言については、調整していきます。学校部活動とか、部活動でいいんじゃないか、というところとかですね。一定の考えがあってあえて付けてるところもあったり、整合性がなくて言葉が違っている部分もありますので、そこは整理をさせていただきたいなと思いますので。

 

あとこれまで言ってきて、入っていないというところとか、これはというのがありましたら、まだ次回あります、今日で終了するわけではないので、遠慮なく、思い残すことなく言っていただきたいなと思います。

固有、〇〇(聞き取れず)というのも入れた方がいいということです。あるいは文化活動が運動部から遅ればせながら作るわけですから、少しは前向きなところ、はじめにとあとがきに、更に入れることはできますから、そこで思いの丈を知っていただくとともに皆さんの気持ちを借りたいと思いますので、指摘ありましたけど、文化活動を盛んにしていきたいという思いだけれども、子どもたちが心身のバランス、一生続けたいなと思うような教育をしていく、生涯に渡ってやっていける基礎を作ろうというのが義務教育やっているところなので、そこで嫌いにさせてはだめです。一生やっていきたいということ。

運動部活動もやってきたけれども文化部活動もやってみたいというなら、じゃあ高校行ったら文化部活動やろう、また大学行ったら文化部活動やサークルやる、というので色んなことに親しんでもらおうという、それが学校教育である、義務教育であるというバランスを取ろうとしていますので、そこもご理解いただけたらなと思います。

 

 

 

●根来 文化庁文化戦略官

今日色々ご指摘いただいた中で、坪田からもございましたが、国公私立のところについて、例えば資料3の比較表の5ページの一番下注4でございますが、「国公私立全ての設置形態の学校に適用される」と書いておりますが、注ではなくきちんと本文に明記するとか、すぐ上の注3、「生徒の自主的、自発的な参加により行われる」「参加を強いるものではない」と書いてあるんですけれども、こちらも注に落としているところ ※4 を本文としてきちんと書くことを検討させていただきたいと思います。

 

※4 該当記述

中学校、高等学校の学習指導要領の総則においては、部活動は、「生徒の自主的、自発的な参加により行われる」とあるように、同好の生徒の自主的・自発的な参加により行われるものであり、こうした学習指導要領の趣旨を踏まえ、各学校においては、生徒の自主性を尊重し、部活動への参加を強いることがないよう、留意する必要がある。

 

また、小学校の取扱につきましても、今日のご意見と第一回、第二回も出てきましたので、本文に書き込めないか検討させていただきたいと思います。

 

また、先程齊藤先生からご指摘いただきました、経済的な事情の点でございますが、これまでも第一回目、第二回目でもご議論ございましたので、場所が適切かどうかはまたご指摘いただきたいですが、11ページの(2)でございますが、「地域との連携等」というところ、「都道府県、学校の設置者および校長は、生徒の芸術文化等の活動に親しむ機会の充実の観点から、また、家庭の経済状況を問わず芸術文化等の活動に親しむことができるようにする観点から~」ということで、経済状況についてはここで一箇所触れているんですけれども、ここだけではなくて他のところでも触れた方が良いというご指摘ございましたら、それも引き続きいただきたいなと考えております。

 

また、先程齊藤先生から定期演奏会の話ございまして、私も吹奏楽、中高でやっておりましたので、定期演奏会で、例えば文化会館を借りるために寄付金をいただきに商店街を回ったりとか、非常に色んな経験をさせていただいたので、重要なことだとは思ってはいるんですけれども、他の先生からもございましたように、1つ特例を認めてしまうと、なし崩し的になってしまう懸念ももちろんあるかと思っておりまして、例えばなんですけれども、あくまで国が出すガイドラインとしてはこういった形でございますが、運動部のガイドラインに基づいて各自治体で方針作られているところあるかと思うんですけれども、これはたまたまある自治体の例なんですけれども、文化部も合わせて運動部と区別することなく適用する方針を立てている県がございまして、その中に適切な休養日ということで、週あたり平日1日以上、週休日1日以上休養日を設けることと書いてあるんですけれども、そこは運動部のガイドラインと同じなんですけれども、具体的な運用についてとございまして、「各部活動の状況により、練習場所、公式戦やコンクールの時期等の条件が異なるため、統一的、定期的な休養日を取ることは難しいことから、別の日に振り返ることや、半日を単位とすることも可能とする。年間52週と考え、平日および週休日各50日以上に相当する休養日を設定する。その際ひと月のうち平日および週休日にそれぞれ少なくとも1日、週休日は半日×2日他、以上の休養日を設けるようにする」というかなり柔軟な運用を方針として示している自治体もございますので、色んな部活で重要な時期も様々であると思いますので、例えばあくまでもこのガイドラインとしては運動部に近い原則的なことを書かせていただいて、自治体や学校設置者の方針の中で、実情に合った運用をしていただくようなこともいいのかなと考えております。そこもご議論いただければと思っております。

 

それから、これまでも今回もご議論ございましたけれども、部活動の時間を制限することによって、日本の芸術文化のレベルが下がったり、参加人口が減ったり、縮小傾向になってはいけないというのはご指摘の通りで、そうしたことが無いようにするべきことも、できればどこかに書き込みたいと思います。

 

そして非常に個人的な思いで恐縮なのですが、私は中学校でホルンを吹いていたんですけれども、初めて楽器に触って中学校の時はずっと銅賞だったんですけれども、高校で顧問の先生のご指導が良かったので北陸大会に進むことができて、アンサンブルなどの大会にも出ることができて、4,5年やったことで大会に出られたということは大事な経験をさせていただいたと思っているんですけれども、私、先日国民文化祭で、百人一首大会の表彰式に出たんですけれど、実は小学校の時に百人一首が強い、熱心な学校だったので、百人一首に対する思いも湧いてきまして、残念ながら中高にはかるた部がなかったものですから、そういった機会が無いまま大人になってしまったんですけれども、たまたま今回優勝したのが地元の県だったものですから、例えば学校帰りの活動でそういった活動があることを知っていたら、吹奏楽を部活動で平日やりながら、平日の1日なり休養日の1日なりをかるたに使うとか、色んな方向性があったのかなと思いまして、必ずしも芸術文化のレベルを下げるとかではなく、幅広い機会を子どもたちに提供するという意味でも、このガイドラインでもうまく活用していけるように思っております。

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

はい、ありがとうございました。熱く語っていただいて。

時間もあれなので、はい、では、手短に。

 

 

 

●妹尾 昌俊 委員(教育研究科、学校業務改善アドバイザー)

すみません、2点だけ、次回までに可能な範囲で事務局の方にお願いがあります。

ひとつは部費とかコストのところなんですけれども、これは11ページ以外でも研究を検討していただきたいんですけれども、今実態で何か分かる資料があるかないか、ないならないで結構ですので行っていただきたいなと、齊藤先生からも、関連する資料があればいただきたいというのが1点、

 

2点目は大会等が、全国大会と、関東とかのブロック別、地方とかまで入れると多すぎると思いますから、せめて全国とかブロック別でどれくらいあるのか、音楽系とか芸術とか演劇とかどうだというのが目安だけでもいいので、分かる範囲で教えてください。これは小学校も中学校も高校もです。

それを見ないと正直どれくらいの負担がかかっていて、大会等の在り方に対して空中戦になりますので、是非お願いします。

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

はい、ではそれでは本日のところは以上となりますが、今日は時間の関係で言い足りないこと、もう少し読み取込んだらこういう点が不足していた、ということがあると思いますので、先程参事官からも是非ご意見伝えてくださいとありましたので、11月5日月曜日まで委員の皆様からもし追加あれば、メールで送っていただければということで、よろしいですか。

 

 

 

●根来 文化庁文化戦略官

はい、5日中までに私どもまでにメールでご意見ございましたら追加でいただければ幸いでございます。

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

また本日いただいた意見を踏まえて、次回までに事務局の方でさらに素案を修正していただいたものを提出していただくということでよろしいでしょうか。

 

 

 

●根来 文化庁文化戦略官

はい、次回、第4回目でございますが、12月5日10時から12時と予定してございますが、今回いただいたご意見、また5日までにいただくご意見を踏まえまして、修正したものを次回の会議の前に事前にメールでお送りしまして、ご確認いただきたいと思っております。

 

 

 

★座長 長沼 豊 委員(学習院大学文学部教育学科教授)

それでは、本日の議事内容を全て終了しましたので、第3回の会議を終了させていただきます。

本当に皆様ありがとうございました。以上でございます。

 

 

 

記録者:ベニ・イェーガー

今回の傍聴と記録にあたり、ベニ・イェーガー様のご尽力に深く感謝申し上げます。 2018.11.06 教働コラムズ

 


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