第4回働き方改革特別部会を傍聴させていただき、感じたことを述べさせていただきます。一個人の感想ということでお読みください。

 

今回はじめて審議の様子を目の当たりにし、想像以上に会議の温度が高く、働き方を本当に改革したいという思いが委員の方々の発言の節々にでていました。会議のなか、「前回の審議で緊急提言までこぎつけ発信することができ、社会に一定の反響と、教職員の多忙状況を改めて知らしめることができた。ここからさらに本気で改革を進めていかなくては」といった旨の発言があり、委員の皆さんも緊急提言について社会からのレスポンスが大きかったことに発奮され、この審議にかけるモチベーションが上がっているように思われました。

 

11の業務について、教員の業務とするかどうかのたたき台を文科省の方が提示され、内容が具体的だったので実現可能性を確認していけるかたちで議論を進めてくださいました。効率的な話し合いになっていると思えました。

 

印象に残った委員の方々の発言をあげさせていただきます。

 

登下校について、「通学路を通勤するサラリーマンの目を活用する」という意見は斬新だなと思いました。

 

調査については、「総量規制の考え方を導入しないと絶対に調査量は減らない」という意見、すごく大事な視点だと思います。また「民間団体からの作文、絵画については事業主体がどれだけいるかをリストアップ、見える化して、県や市単位で総量規制をかける、コントロールするべき。それぞれが各省庁が絡んでいたり何十年も続いていたりで(利害関係もあるという意味だと思うのですが)学校単位で調整は無理だ」という意見も溜飲が下がりました。

 

成績については「校務支援システムの導入は県単位でやることと、ヘルプデスクを作ることが必須」「学習評価の指標を教員が一から作るのではなく、一元化して誰でもすぐにそれを利用できるようにする」「成績や調査書の様式の簡素化を検討するべき」「教材研究の時間を週時程(勤務時間内)にはじめから組み込んでおく」など、頷きたくなる意見がたくさん出されました。

 

家庭や児童生徒への支援については、「個々のケースを更に細かく規定していかないとどこまでが教員の領分か運用ができない」「対応が大切なのは周知だが、緊急提言の留守電設置など多忙化解消とは絶対に整合性をつけておかなくてはならない」という意見に、教員の働き方を変えていこうとしてくれている意思を感じました。

 

給食については、「ランチルームを整備する」「クラスで担任が指導するという固定観念を外す」「大人数を少ない人数で見る仕組みをつくりローテーションで教員の休憩時間を確保する」などの意見が印象的でした。

 

掃除については「綺麗にすることと教育としての清掃は分けるべき。子どもが衛生的に空間を綺麗にできるかといったら無理がある」「外部の力を入れることに前向きになっていいし、掃除の時間も頻度も毎日必要なのかということまでゼロベースで考えていい」という意見が出され、毎日やるもの、やらせるものと思っていた固定観念が崩れ、目から鱗でした。

 

終末では「これらの方向性を一つ下のフェーズに下ろしたときの調整をどれだけ丁寧に行えるかが大切」「修学旅行の行程を外部化できるかオプションについての検討も」「タイムカードは実施率を公表しフォローアップする(早期普及を促す)」「給食や清掃を工夫した週時程のモデルを文科省のリソースを使っていくつか提示する」「業務として規定したことはしっかり行う、けじめをつけるには、給特法について検討をしないわけには行かない」などの意見が出されました。

 

そのほか、「検討するべき事柄が本当に11で良いのか、12や13はないのか考える必要がある」「部活動指導員は適切な練習時間や休養日を設定し部活動の適正化を進めている教育委員会を対象に補助を進める。4年で1校あたり3人の指導員配置を目指す:冒頭文科省の担当が説明」といった発言が印象に残りました。

 

話し合っていることが全てうまくいくとは考えにくいです。しかし委員の皆さんが、一筋縄では行かないことをスピード感を持って進めていこうとしていることは伝わりました。

 

今教員の労働環境については社会から大きな注目を集めていると思います。非常に困難を伴う改革だと思うと同時に、国、都道府県、市町村、現場管理職、現場教職員全てがさらなる働き方改革に向けブーストしていく必要性を感じました。

 

審議を進めて下さった委員の皆様と文部科学省の皆様に感謝致します。今後の審議の行方も見守って行きたいと思います。