私のいる県は小中で異動のある県です。前任校は小学校でした。中学校に来て、今年が二年目です。このたった一年で、何度となく部活のおかしさに気づかされました。
何よりおかしいと思ったのは、活動時間の長さです。課外活動なのに業務の半分くらいを占めます。私たちは部活で採用されていません。採用試験にもそんな問題は出ません。教えられる資格もありません。ただ、あっても経験が少しある程度。最悪経験すらありません。何より土日はなくなる。ボランティアのはずなのに。
勤務時間内の部活は仕事。それ以降は自発的勤務という教員に完全に都合の悪いシステム。かといって、勤務時間内で部活を終えようとすると毎日20分程度しかできません。
私はメールで聞きました。『どうすれば勤務時間内に部活動をすることができるのか』と。県の教育委員会は『管理職と相談をしてください』と言い、何も答えてはくれませんでした。
年度末になると部活の校内人事に悩む運営委員会の人たち。それもそのはず。部活のウエイトが大きすぎるのだから。受け持てる人とそうでない人がいるのだから。
また、校内も部活による特別ルールがまかり通りすぎています。雨の日は校舎内を走る野球部。大会前だとテスト前でも練習可能なバスケ部。選抜に選ばれているからといって、平日に学校を公欠で練習会に行ってしまう生徒。もはやルールなんてありません。メチャクチャとしか言えません。
私には今年一歳になった子どもがいます。私の育児と言えば、風呂にいれたり、寝かせたり、ご飯を食べさせたり。手がかかるのは今です。でも、この大切な期間をなかなか一緒に過ごせないことはとても辛い。教員としての仕事をしていて、忙しいならまだ納得がいく。しかし、部活は課外活動。私たち教員がしなければいけないものではありません。だからこそ部活に家族と過ごす時間を奪われることは余計に腹が立ちます。
昨今、やたらと記事になる雪崩による事故、保護者の車出しによる交通事故、柔道などの事故による意識不明。熱中症で亡くなる生徒もいました。
一生懸命顧問が頑張っても、ボランティアでやっていても顧問の責任。
生徒もきっと辛いはずだ。月曜日が一番疲れてる様子から辛さが伝わります。
なんのための学校なんだ?日々自問自答。答えは出ず。もちろん、部活にもメリットはあると思います。体力向上にも精神面を鍛えることにも有効です。でも、そこまで教員がやる必要があるだろうか。
昔と比べ、教員がより多忙になった今、切り離していくべきだと思います。我々はスポーツインストラクターではありません。学習の楽しさを伝える教員なのです。だからこそ、授業を通してわかることの楽しさ、私は英語の教師なので海外の人とコミュニケーションがとれる喜びを伝えたいです。どうか今の部活のあり方を考え直し、教員が授業に集中できる環境を整えてほしいと思います。
コラム「部活に振り回される学校」
— 教働コラムズ (@kyodo_columns) 2017年5月1日
私はメールで聞きました。『どうすれば勤務時間内に部活動をすることができるのか』と。県の教育委員会は『管理職と相談をしてください』と言い、何も答えてはくれませんでした。 https://t.co/n7XsUNsN0n
columns「A School Controlled by Bukatsu」 https://t.co/EmgkTGuvlV
— 教働コラムズ (@kyodo_columns) 2017年5月26日
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