部活顧問、引き受けかねます

生駒ノラ

(近畿 40代 公立中学校)2017


 

「全員顧問制の職場では、部活顧問はやらなければならない」というのは思い込みだったかな、と、今は気づいた。やりたくなければやらない、という選択もできる。そもそも部活動は、教育課程外の活動で、教員は自発的に顧問を行うことになっているが、私は部活顧問を自発的に行う気持ちはない。管理職にもその気持ちを伝えた上で、今年度は顧問業務を一切行っていない。

 

 前年度までは、全員顧問制の名のもとに、自分でやったこともない競技の顧問をしていた。子どもや保護者からの要求にこたえなければ、との思いとともに、同僚に迷惑をかけたり悪く言われたりしたくない、との思いもあったため、引き受けていた。

 

 が、あまりの過重労働に限界を感じた。部活での事故のニュースも後を立たない。「もう、できない。無理だ。」と思うようになった。そんなとき、ブログやツイッターなどで、部活顧問は拒否することができると知り、ようやく「やらねばならない」との呪縛が解かれた気がした。

 

 それから少しずつ労働法についても学び、自分なりに考えて行動にうつし、今年度は、部活顧問から抹消してほしいと管理職に頼んだ。結局、名前を消してもらうことはできなかったが、顧問業務は全く行っていない。

 

 同僚からどう思われているか分からないが、嫌われても良い、と開き直っている。

 

教育課程に関わる職務は当たり前に行っているので、何も後ろめたい気持ちはない。むしろ、私は文科省が示している通りに、部活の負担軽減や教員の業務削減を意識しながら働いているつもりなので。

 

  今年度、同調圧力を気にせず「部活顧問、引き受けかねます」と表明したことで、実際、顧問業務をせず、勤務時間外は自分と家族のケアのための時間を増やすことができた。「こんなのおかしい!助けて!」とSOSを出し、行動に変えていくことの大切さを実感している。