最近、教職員の働き方について何かと話題になることがある。その中でも「長時間勤務」が注目を集めているように思う。そして、「長時間勤務の原因」=「部活動」と言う形が世間に広まりつつある。本当に、そのことだけが先行して世の中に伝えられなければならない教育現場の実情なのだろうか?と疑問に感じる。
確かに部活動は、時間に縛られ教員にも、生徒・保護者にも負担になるものだ。しかし、生徒の人間形成という観点で言えば大いに価値のあるものである。また、教員にしても、生徒とのコミュニケーションをとることのできる唯一の場面といえ、最後のとりでともいえる。
昨今、一人の教員が抱える仕事内容は多くなっている。少子化の影響から、教員の平均年齢は上がり新規採用者は削減。現場は、戦力不足と言わざるをえない状況にある。
私は人員不足から、専門教科+臨時免許を取得してまで専門外の授業をしなければならない事態にあった。少ない人員でその日をやり過ごすためだろう。1日6時間授業が当たり前。3階の教室で授業をしたら、午前中は、1階にある職員トイレには行き着かない。お茶なんてもってのほかだ。昼休みは提出物の確認や授業の準備。そんな中で、生徒と話ができるわけがない。また、学力向上から、行事もどんどん減った。一番大切にしなければならない生徒と向き合うための時間は学校の中にないように思う。
だからこそ、部活動が欠かせない。自分が顧問ではない部活動に所属している生徒の情報も耳に入る。多くの人が一人の生徒を知る機会が増える。
生徒にとって何が大切なのか。学校だから、学力はもちろん大切にしなければならない。しかし、生徒の心はどう大切にすれば良いのだろう。いじめの問題がメディアで扱われると、「学校は気が付かなかったのか?」となるが、生徒を見る時間のない今、その問いに答えることは難しい。
「長時間勤務」、土日も休めず確かに辛い。しかし、土日に生徒と共に過ごし、汗を流し、泣いたり笑ったりする時間は、学校の中にはない素晴らしい時間だ。
だからこそ言いたい。「部活動は悪なのか?」他に見直すべきところがあるのではないか?学校は誰のための、なんのためのものなのか…
今一度考えてもらいたい。
コラム「部活のすべてが悪なのか?」
— 教働コラムズ (@kyodo_columns) 2017年7月19日
生徒と向き合うための時間は学校の中にないように思う。
だからこそ、部活動が欠かせない。自分が顧問ではない部活動に所属している生徒の情報も耳に入る。多くの人が一人の生徒を知る機会が増える。
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