いよいよ育休が終わるーー。その日が近付くにつれ、復帰後やっていけるのか不安でいっぱいになった。異動はないとはいえ、知らない校長だったので、不安な気持ちとともに、希望として、できれば部活動は土日に活動がない部、担任外を希望した。
だが、いざ4月最初の会議の場に出てみると、担任、そして運動部の顧問だった。部活動については熱心な若手2人の後の3人目ということでほぼ名前だけだが、運動部に名前があるということだけでも負担に感じてしまう自分がいた。
ネット上では部活動問題や教員の長時間労働が話題にのぼっており、Twitterでも活発な議論がなされていたので、正直、休んでいた4年間の間に労働環境が何か良い方向に変わったのではないかと期待していたが、その期待は見事に裏切られた。復帰1日目から毎日2時間以上の時間外労働。それでも仕事が終わらず日曜日も出勤した。新年度のクラス準備、教室整理に提出物の事務処理、座席表や学級通信の印刷…とにかく勤務時間内に終わらせるのは不可能である。他にも学校全体のことでいうと、18時まで終わらない会議。講師も担任、顧問は当たり前。時間外の立ち番、下校指導。勤務時間の話をしても反応の薄い若手。など、おかしいと思うことを挙げるときりがない。部活動も以前より数が増え、朝練をしている部も増えていた。
久しぶりに教壇に立ってみて、やはり担任としてクラス運営を考えるのはやりがいがあるし、教材研究は楽しい。だが、ここまでプライベートを犠牲にしなければいけないのは本当に辛い。今、私の子どもたちは毎朝6時半頃、祖父母の家に預けられそのまま保育園の送迎もしてもらい、夕飯、場合によってはお風呂も祖父母宅で済ませている。子どもたちも初めての保育の場ということで精神が不安定な時期なのに、母親の私が関われる時間なんて1時間もない。主人と話す時間なんて5分もないかもしれない。19時過ぎに学年の先生達がみんな残っている中「お先にすみません」と言って、もらえもしない高速道路代を払って帰る帰路、自分は何をしているんだろう、と涙が出そうになる毎日である。せめて来年は担任を外れたい、どうすれば外れられるか、こんなことばかり考えてしまう。
祖父母の協力がなければ仕事を続けることが不可能な現状はどう考えてもおかしい。育児中の自分たちを優遇してくれ、という訳ではないが、せめて育休復帰直後は担任を外してほしい。そもそも、育児中の教員が余裕をもってできる仕事量になれば全ての教員のためになるのではないか。同じ思いをもつ教員が1人でも増えることを願い、共に現状を変えるにはどうすればいいか考えていきたい。
コラム「育児休業から復帰して」
— 教働コラムズ (@kyodo_columns) 2017年5月1日
19時過ぎに学年の先生達がみんな残っている中「お先にすみません」と言って、もらえもしない高速道路代を払って帰る帰路、自分は何をしているんだろう、と涙が出そうになる毎日である。 https://t.co/IaacdJ6lCx
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