平日の5時半、3つの目覚まし時計が大音量と共に鳴る。疲労が取れない中、今日も1日が始まる。子どものお弁当を作り、自分の朝食は家事をこなしながら慌ててとる。
7時前、子ども達を叩き起こす。起きた事を確認し、「おはよう!」と一言だけ声を掛け出勤。車で50分の勤務校に向かう。
私の勤務時間は本来なら8時半から5時まで。しかし、子ども達は8時から登校してくる。
学校に到着し、急いで更衣を済ませ、職員室か学級で子ども達を迎えつつ仕事開始。
小学校は、ほぼ全ての教科を担任1人で指導する。それ以外にも、給食指導に清掃指導、様々な生活指導を担任1人が担う。
8時50分、1時間目が始まる。それからは、怒涛の様な1日が。毎日6時間授業の専科なし(※下記「専科とは」参照)。6時間目が終了の3時半には、ほぼ、全ての体力気力を使い果たし、立つこともままならない状態に。
しかし、何故、その様な状態になるのか。
それは、担任は6時間の授業をすれば良いだけではない。授業中、突然騒ぎ出す児童。それに、同調する児童。教室内を彷徨い歩く児童。その個性豊かな面々にあった対応をしつつ、授業を再開。声を荒げた所で、児童と敵対するのみ。何の役にも立たない。
また、時には中学年でもお漏らしをする子も。しかし、子ども達にはプライドがある。決して傷つけない様に、お茶が溢れたのね〜。と、ごまかし、着替えに行かせる。その間、お茶が溢れたのね、と言った手前、素手で雑巾数枚持って処理をする私。
また、水の飲み過ぎで、マーライオンの様に授業中、水を吐き出す児童。それが、周りの児童にかかり、着替えさせ、処理をする。
休み時間、清掃時間、ふざけ合いから喧嘩になる事も頻繁。
とにかく、児童たちからは目が離せない。神経をすり減らしながらの毎日の勤務。
しかし、子ども達が下校後、第2ラウンドが私を待っている。会議、研修、打ち合わせ等等。真面な判断など出来る状態ではない。全てが終わり、気がつけば退勤時間の5時。それで帰宅出来る訳がない。毎日の様に保護者から連絡帳にお願いが記載されていたり、子どもの帰宅を待っていましたとばかりに、保護者からの電話が掛かり始めその対応に追われる。話を聞き、相手の訴えようとしている事を理解しようと努める。相手の言わんとしている事を考え、可能な限り対応に努める。時には、緊急的に家庭訪問も実施する。
気がつけば、もう外は真っ暗。
電話でも家庭訪問でも、話の長い方は何時間でも話をされる。
ある時、帰宅途中に管理職から電話が。
学級の児童が家で愚図っているらしいから家庭訪問をしに戻ってきて欲しいと。時間はもう、7時を過ぎていた。PTA会長の子ども。仕方なく、家庭訪問。親子関係がうまくいっていない様子。一方的に母親が話をする。気がつけば11時を回っていた。
平素は、保護者対応が終わりフッと時計を見ると、7時前後。それから、残務処理をする。これをしないと、学校が回らなくなるので仕方なくやる。
もう、体力気力共に限界を超えてしまっている。
何とか本日中に終わらせないといけない残務処理を済ませた頃は、8時を回っている。勤務開始12時間以上が経ち、その間、休憩もない、トイレは一、二回程度しか行っていない状況。
教材研究、明日の授業準備なんてする時間も気力もなく退勤。
また、明日も6時間授業か…と悲しい気持ちで帰路に着く。
この様な勤務や業務内容を小学校では「一担任」に担わせる。
異常としか思えない現場。
そうして、途中、買い物をして帰宅は平均で10時前後。家に着いた頃には、話す事すら苦痛に感じる精神状態に。
家族とは、平日殆ど話すことができない。子どもたちも、私の事は諦めている。
そして、私は最近の我が子の事を何も知らなかった事をある日思い知らされ、絶望的な気持ちになった。
学級や学校の子ども達のことは理解しているのに、我が子の事を知らなかったとは。
これが、小学校教員母の現状である。
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①専科(せんか)とは、何かある特定の分野を専門とするの意。例えば、その特定分野の店舗、雑誌なども指していう(「男性専科」など)。「単科」とも言われ「単科大学」などと使われる。
②専科教員のこと。①から派生して、原則として学級担任がすべての教科を担当している小学校において、理科・書写・体育・図画工作・音楽・家庭など、主に実技教科を専門的に担任する教員を指す。特に高学年においては専門的な教材研究や技能の実施(実験、ピアノ演奏など)が必要で、学級担任の負担が大きいため配置される。教育委員会において学校の規模別に加配人数が決められている。ただし、小規模校では配置できないことがあるため、教頭や教務主任が専科を引き受けたり、交換授業によって複数学級の同一教科を一人の教員が負担するようにしている。専科教員も委員会活動やクラブ活動などの顧問、校務分掌等を担うのは一般教員と同じである。小学校の専科教員が有する教員免許状は、その教科に相当する中学校・高等学校の免許状でも可能となっている(例えば、図画工作の専科教員は「中学校(美術)」など)。 ⇒ 小学校教員を参照
コラム「小学校教員母の1日そして、現状」家族とは、平日殆ど話すことができない。子どもたちも、私の事は諦めている。
— 教働コラムズ (@kyodo_columns) 2017年5月22日
そして、私は最近の我が子の事を何も知らなかった事をある日思い知らされ、絶望的な気持ちになった。 https://t.co/VZj7nqxNaO
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