教職員の休憩時間は無きに等しい。そこで「措置要求」によって休憩時間を確保しようと人事委員会へメールを送った。以下はそのやり取りとその結果である。
(1)準備
・海外の匿名のメールを使用する。
・Torによって、PCから匿名メールまでの経路を隠匿する。
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
※どこの組織でも訴え出たものを密告者として犯人捜しを行いますからね。
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
(2)1回目送信内容
〇〇県人事委員会 担当者 様
県内の小学校に勤めさせている者です。当校の日課表を見ていて勤務時間・条件について疑問に思った点がいくつかありましたので、質問させていただきます。必要であれば「措置要求」を出させていただきたいと考えております。
1.職員の勤務時間は8:15からであるが、児童昇降口の開錠時刻は7:15。この間、児童に万が一のことがあった場合、施設の設置者や管理者ではなく一職員(担任)が責任を負う形になっているのだが、正しい形なのか。
2.朝の集会行事などの開始時刻が8:15となっている。児童に参加するにあたっての心構えや整列などの指導をするに10分以上必要になるが、これは勤務開始時刻以前に行わなければならない。これは正しい形なのか。
3.給食の時間が12:30~13:30となっている。しかし、12:45~13:30は職員の休憩時間。休憩は全くとれていない。子どもがどうなろうが、休憩にしてよいのか。給食指導・食育・アレルギー対応等全てやらなくてよいのか。そうでなければ、どうするべきか。誰がやるのか。
職員も食事を摂っているのだから休憩だという声もある。しかし、校内の文書では「全ての職責から完全に開放される時間」と明記されている。そのような状態になっているのか。
加えて、清掃の時間が13:25から準備となっている。休憩時間と5分重なっている。
4.一週間の勤務時間の中で校務分掌の仕事や授業準備に充てられる時間は、平均で60~100分程。この時間内で一週間分の仕事を終えられるのか。終えられる程度の質で良いのか。時間外勤務を前提としているのではないか。
5.仕事を持ち出す際は、「持ち出し簿」に記入し管理職の許可を得ることになっているが、この時点で、管理職が勤務時間内に終えられない仕事量を与えていることの証明になるのではないか。
6.部活動を朝行っている。勤務時間内に行うことは上記4.の状態により不可能。休日の部活動も「自発的行為」として扱われ、代休や勤務の割り振りは行われない。自発的行為であるにも関わらず、校務分掌という公の表に氏名が載せられており、責任も発生する状態。“ほぼ”管理職からの命令であるにも関わらず、この状況はどうなのか。
返信をいただく際に「子どものために」「子どものためなので」というキーワードはご使用にならないようにお願い致します。
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
※「措置要求」地方公務員法第46条に基づくもの。同8条に「職員の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する措置の要求を審査し、判定し、及び必要な措置を執ること」と記載されている。訴えた者は労安法97条2項によって不利益を被らないことになっている。
人事委員会に相談することが一審なら「措置要求」を出すのが二審であり、三審は行政訴訟とも言われている。たぶん。
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
(2)1回目返信概要
メールで質問をいただいた件につきまして、回答させていただきます。
勤務時間を適切に管理することの重要性は認識しておりますが、「学校」という職場や「教員」の業務の特殊性などを考えると、厳格な時間管理を行うことが難しい部分もあるかと思います。また、学校運営上の実情も考慮する必要があると思います。〇〇様の了解がいただけるようでしたら、具体的な学校名等をお伺いし、このようなご意見があったことについて、お名前を伏せたうえで、任命権者である県教育委員会へお話させていただきたいと思います。
(3)2回目送信内容
〇〇県人事委員会 担当者 様
早速のご回答ありがとうございました。
今回は下記の小学校に勤める職員を代表して送らせていただきました。
しかし、マスコミ報道等でご存知かも知れませんが、この状態は全小・中学校に当てはまると言っても過言ではありません。少なくとも、私は5~10校ほど回っておりますが、全ての学校で同様の状態でした。
A小学校
B小学校
C小学校
D小学校
E小学校
F小学校
G小学校
追記:
業務の特殊性や運営上の実情によって法に反してよいものではないのではないでしょうか。
既に県教委にも同様の相談をしましたが、「管理職と相談してください。」との回答でした。
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
※学校名には万が一の報復を避けるためにダミーを多数入れ込みました。
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
(4)2回目返信概要
お寄せいただきました御質問について、県教育委員会へ話をさせていただきました。県教育委員会としても状況を把握していきたいとのことですが、小学校教員の服務監督権が市町村教育委員会にあること、また学校の時間割が学校管理規則等で定められていることなどから、詳細を把握する上で、〇〇様が現在勤務されている学校名を教えていただきたいとのことであります。もちろん、個人が特定されることがないよう配慮をしたうえで市町村教育委員会や学校への聞き取りをしていきたいとのことです。
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
※教えるわけないだろ!
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
(5)3回目送信内容
〇〇県人事委員会 担当者 様
申し訳ありませんが、まだ学校名をお伝えすることはできません。
学校の特定=個人の特定になりますので、調査対象を複数にしてダミーを入れる等、調査方法が明らかにされないと難しいと言えます。
各校の「学校の時間割(勤務時間)」は市町村教委に提出してあるか、すぐに示せる状態にあるので、既に把握しているか把握しているべきだといえます。よって、教職員の「休憩時間」に「給食指導・清掃指導」という職務を与えていることは明らかになっています。
その上で、「状況を把握していきたい」という発言はいかがでしょうか。
組織が「状況を把握していきたい」という回答をすることの意味はご存知かと思われます。
(6)3回目返信概要
これまでに返信いただきましたメールの内容を踏まえまして、現時点で確認できる内容について、以下のとおり対応したいと考えております。
・県教育委員会から市町村教育委員会を通じて、以下の小学校の時間割を確認する。
A小学校
B小学校
C小学校
D小学校
E小学校
F小学校
G小学校
・確認の結果、清掃の時間が休憩時間と重なっている場合は、県教育委員会から市町村教育委員会を通じて、学校長へ時間割を変更してもらうよう依頼する。
以上について、こちらから県教育委員会へ話をしたいと思います。
(7)4回目返信概要
こちらから県教育委員会へ話をしたところ、県教育員会から3月中に、校長会を通じて、全ての小・中学校へ、清掃の時間が休憩時間と重なっている場合には、時間割を変更してもらうよう依頼していただくことになりました。
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
※ それだけ? でも「全ての小・中学校へ」というところはプレッシャーをかける意味で前進か?
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
(8)新年度になって(結果)
①休憩時間は「全ての職責から完全に開放される時間」と明記されていたものが、全ての文書から削除された。
②時間割の給食の時間の途中に横線が一本入った。児童にとっては意味不明な線。
③13:25から清掃の準備と明記されていたものが、13:25に放送委員の児童が準備の音楽を鳴らすという表現に変わった。
補足:
下図のように昨年度の時間割表では、12:30から13:30まで給食の時間であり、休憩時間が無いことになっている。さらに休憩時間のはずの時間の途中(13:25)から清掃の準備が始まっている。
しかし、今年度は、給食の時間の途中に線を一本入れることで休憩時間を明示したと言うこともできる状態になっている。さらに、清掃準備開始の時刻は削除されていた。
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
※ のみ!
文書でのまずい所は全て削除・修正された。管理職からの命令ではなく、全て「自発的行為」とされた。「措置要求」を出そうにも証拠となるものがなくなった。
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
コラム「勤務時間 休憩時間を勝ち取る? しかし・・・」
— 教働コラムズ (@kyodo_columns) 2017年5月9日
教職員の休憩時間は無きに等しい。そこで「措置要求」によって休憩時間を確保しようと人事委員会へメールを送った。以下はそのやり取りとその結果である。 https://t.co/UlYpPtemv4
メディアの方へ
For the press or journalists
当サイトの全ての内容は引用可能です。ご利用の場合は お問合せフォーム または下記メールアドレスまでご一報ください。
We will offer every content in our site to you for publishing on your media. If you would like to cite our contents, please notify us in advance by Contact Us or the following e-mail address.
教働コラムズ
KYODO columns