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部活動が問題?

こば 中部 50代 中学校現役教諭学年主任

 

 

 

教員の働き方に注目が集まっている今、今しか働き方を変える時はないと思うのは、多くの教職員の抱いている共通の思いだと思います。しかし、ここで、部活動の問題に集中して話がすり替わっているように思います。中学校の教員を志望した段階で「部活動があるとは思わなかった」なんて人は、いないでしょう。皆、部活が勤務時間を超えて行われていることも知っていたはずです。でも今日の部活動の問題は、その時間が長いということではないと思います。多くの教員は生徒と接するのが好きで教員となっているので、生徒共に何かを創造していく時間は、かけがいのないものだと思っていると思います。

 

 でも、ここの所、素人の顧問に保護者が専門性を求めたり、育休明けの女性職員に土日の部活を求めたり、勝利を過剰に保護者が求める、逆にやりすぎだと保護者が批判したり、叱りすぎだ、なんだかんだと本当にうるさい。本来、生徒と教師で創り上げるはずの部活動が誰の顔を見てやってんだかさっぱり分からない状況になっている。経済的、肉体的、精神的負担は重いのに得られるものが、多忙感と徒労感というところだからではないでしょうか。

 

 保護者自身も部活動への関わり方を考えるべきだと思いますし、文科省が部活動とは、どういう教育活動なのかということをきちんと説明すべきです。

 

 でも、我々も、子どもと直接関わりない仕事に追われていて子どもの顔が見えなくなっているのも保護者の理不尽な要求を許してしまった大きな原因かも知れないと思います。行事の参加応諾書、会計処理、学校預かり金を払わない家への電話・家庭訪問、集配業務、アンケートの集計、市町村や県や外部団体からの膨大な文書処理、回答・委託業務、任意団体という強制団体による強制的な研究授業、進路事務、保護者の理不尽な苦情処理に追われていて、生徒の話をもっと聞いてやったり、面白い授業を考えたり、部活動の新しいメニューを考えたり、明日の学活で子どもが喜ぶ話やためになる話を考える余裕がない。それこそが、教員の本当の悩みだと思います。

 

そこで、私の考える改善案です。

1、学校預かり金については、市町村の徴税業務に移管

2、集配業務、会計関係、アンケート調査のために1日2時間程度のパートを雇う

3、任意団体と呼ばれているが教育委員会の隠れ蓑となっている中教研や市町村にある学校研と呼ばれるものを廃止

4、部活動の数を削減し、1部活複数顧問制にする

5、保護者対応については弁護士等の法務関係を強化し、埒があかない場合は法廷に持ち込む

6、教員採用試験の条件に3年以上の講師経験を義務づけ、現場職員の数を確保