休みない部活動による心身と家庭の崩壊  

 

まる子@zoesan3

(50代 中学校教員)


 

 

 転勤と同時に女子バスケットボール部の顧問になった。

 

 バスケットボールは体育の授業で数回やった程度で全く分からなかった。コーチがいたので指導はコーチにお任せで、ただ練習や大会に一緒についていくだけの顧問だった。前年度通りにということで、毎日朝練放課後練習、土日祝日も丸一日練習。休みが全く無かった。コーチの言うとおりで意見を言うことが出来なかった。私にも本職の仕事があり家庭があったが、ほとんどが部活動のために時間を浪費している気分だった。当然体調が悪くなったが、病院に行く時間も無かった。

 

 夏休みになり、3年生が引退して新しいキャプテンが決まった。私は体調が悪いため部活動を1日休みにした。すると、新キャプテンが「日曜日は大会です。前日の土曜日に練習をしないなんて、相手校に対して失礼です。先生は明日用事があるのですか?練習を入れてください。」と言われた。流石に体調が悪いので断って、数ヶ月ぶりに休みをとり家で休んだ。数ヶ月に1度の休みでさえ簡単に取れないこの状況が悲しかった。

 

 お盆近くになり、限界がきて半日休みにして病院に行った。手術をすることになった。幸い手術は日帰りでできる簡単な手術だった。お盆が終わり連日の部活動が始まった。キャプテンの保護者に体調が悪くて手術をしたことを話したら「先生、もう治ったんですよね?これから休みなくバリバリ部活動してくださいね。」と言われた。自分がやりたいことを通すために、他人への優しさもなく要求してくる保護者にはうんざりした。

 

 この状況をかえるため、年度末に管理職に「どんな仕事でもするので、バスケットボール部ではなく、〇〇部の顧問に変えてください。」と頼みに行った。この時、顧問を拒否することができるとは全く考えていなかったので、他の部活動顧問と沢山の業務を引き受けることになってしまった。当然、自分の体や心はボロボロになり、家庭も崩壊していくことになった。

 

 ツイッターを始めて、部活動は業務ではなく生徒や教員の自主的な活動であることや勤務時間・休憩時間の存在、超勤4項目等を意識するようになった。部活動のせいで、本来の教科指導、生徒指導、進学指導等がおろそかになってしまっている。自分の命を削ってまで部活動顧問をするべきではない。しかし、顧問を断ることができないのが現状である。趣味でやっている顧問は楽しくてやめられない。そんな中、部活動反対の声を上げるのはとても勇気がいることである。ましてや非正規教員は来年度の雇用にも関係があり、断ったら来年度の職を失うことにもなりかねない。しかし、みんなで声をあげ、より良い部活動のあり方を考え改革していかなければ、教員は潰れ、新しく教員になる人がいなくなる。生徒のために優秀な教員を集めたいのであれば、即刻部活動を外部に移行するまたは、やりたい教員のみ勤務時間内のゆるい部活動のみ学校で行うという風に変えていかなければならないと思う。