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スポーツ庁の部活動ガイドライン作成検討会議について

お名前(匿名可): 匿名希望

 

属性(無選択可・複数選択可): 教員

 

スポーツ庁の部活動ガイドライン作成検討会議において、部活動の根源的問題の一つである「素人顧問」つまり競技経験がないなど専門指導のできないなかで顧問を請け負う人が全体の半数近くいることに対してどうするのかを熟議している様子が議事録から感じられないことに大変な危機感を覚えます。会議の構成メンバーが成功者ばかりなので、どうすればよりよい部活動にできるかは審議できていますが、受け入れる現場にどれだけのポテンシャルが残っているのか、そういったことをベースに話し合えているのかが非常に疑問です。

 

現状では素人顧問はいちからその競技を学びますし(その負担だけでもかなりのもの)それでも満足いく指導はできない。中にはできる人もいるでしょうが、ではそれができない人はどうするのか。できない人は教員の資格がないでは、教員は全員が未経験のスポーツ指導をできなければならないことになります。それが非現実的で無茶だから現場からはこれだけ大きな悲鳴になっているのではないでしょうか。

 

中には前時代的なスパルタ部活動も存在すると思いますが、質の高い指導ができる、指導者にそういった力があるから、練習時間を押さえられるという側面はあります。指導力がないから練習量でカバーしようとする、そこにも休養を適切にできない問題が隠れています。技能がなかなか向上しない場合、顧問はどうしても生徒や保護者から非難を受けやすくなります。それだけで非難されることはなくても、加えてチームの人間関係などがうまく行かなくなれば、技術指導のできない顧問の先生のいうことを生徒は聞いてくれなくなるし、部活動経営が上手く回らなくなれば、生徒も教師も保護者も全員が嫌な思いをすることになり、我慢を強いられます。

 

専門指導のできる人とできない人の負担感や、部活動を健全に運営していくために請け負う負荷は同じではありません。その問題にふたをせず、部活動指導員をどういったところから発掘できそうかも含め議論が進むことを注視したい。