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コロナのおかげで山が動いた!

タカツ 関東 40代 小学校教諭

 

 

 ばんざーい!ばんざーい!

 夏の甲子園が中止になりました!!

 

 部活動を間違った方向へと導いていた象徴の「甲子園」が中止となりました。

 きっと一時的なものでしょうが、それでもとても大きな前例となったのではないでしょうか。

 

 「スポーツ=大会」という考え方は、私たちのスポーツ観に大きく刻まれていると思われますが、スポーツとは果たしてそれだけのものなのか?

 

 私は20歳ごろに足首の靭帯を損傷し、それまでの様なパフォーマンスは発揮できなくなった。しかし、その後20年間、野球・サッカー・バドミントン・バレーボールなどを可能な範囲で、楽しみながら続けてきました。中学・高校の頃の部活動より怪我をしてからのスポーツライフの方が何倍も楽しんでいると実感しています。

 

 もちろん私も『巨人〇星』から始まり、『キャプ〇ン翼』、『スラム〇ンク』・・・最近は『ハ〇キュー』などを心を躍らせながら見て、楽しむ心をもっています。

 正直自分も学生時分は「全国優勝をして、プロになるぞ!」なんて自主トレなどに励んでいました。

 ・・・結果、県大会すら出場経験ナシ・・・。部活動を引退するときの虚しさといったら、例えようのないものでした。

 

 夏の甲子園中止が報じられたとき、高校球児が泣き崩れている様子が報道されましたが、どのような心境なのでしょう?

 おそらく、「自分の力を周囲に誇示できなくなった」や「プロ野球選手になる道が遠のいた」ではないでしょうか?

 これらは、前者が《自己顕示欲》で、後者は《出世欲》と私は思います。

 純粋に「好きな野球ができなくなった」と思っている人が何人いるでしょうか?

 もしもそんな純粋な子がいたとしたら、その子に言いってあげたい。「これから君たちが始めるスポーツライフの方が何倍も楽しく、何倍も幸福ですよ!!」と。

 

 大会での勝利を目指す下剋上の部活動。その修羅場では、切磋琢磨という美名のもと足の引っ張り合いがドラマチックに展開され、一心不乱に磨き上げられていく大和魂???

 

   高校球児の皆さん、思い出してください!

   父のグローブにボールが吸い込まれたときの、父の嬉しそうな表情を・・・。

   初めてバットにボールが当たったときの興奮を・・・。

 

 私は提案します!

 公教育において、プロアスリートになるような指導をしてはいけないということを!!

 プロアスリートになりたい人は、クラブチームに入ることを!!

 

 私は、現在小学生の我が子が、数年後そのような部活動という名の修羅場に巻き込まれない世の中になってほしいと思っています。

 

 スポーツは、唯、楽しければいい。

 

 ・・・と切に思っています。

 


※コラムズからの補足(2020.7.5)

第102回全国高校野球選手権大会(主催:日本高校野球連盟と朝日新聞社)は、新型コロナウイルス感染の懸念を踏まえ5月20日に中止をが発表された。 また、第92回選抜高校野球大会(主催:日本高野連と毎日新聞社)も同理由から中止となっており、予定されていた大会の中止は春が史上初、夏は3度目で戦後初、春夏連続は初めて、という事態となった。 

しかし、実際には下記のような形態をとって大会が行われる。

甲子園出場権を持つ32校に対する救済措置として、甲子園球場での交流試合(日本高野連主催)

代替大会の開催(各県高野連主催)

その他、私設大会の開催

参考:「甲子園中止」で揺れ動いた高校野球界の2カ月 地方の代替大会へ大きなうねり 時事通信社