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滋賀県高野連と部活動ガイドライン

ひこにゃんアナリスト 近畿 滋賀県人

 

 

以前、滋賀県教委の取り組みについて投稿した者です。

 

前回ガイドラインについて細かく見ていったが、あれから中学校に関しては一定の効果がみられ、校長主導でガイドライン徹底の努力がなされている自治体エリアは効果が顕著である。その一方で、高校はまだまだ徹底される気配が薄い。そんななか、県内有志の繋がりの中でも特に滋賀県高野連の活動に疑問が上がっているので、こちらにも報告したい。

 

以下の画像は、県下公立高校野球部顧問が集結して行われる顧問会議で配布された海外遠征についての資料である。まず、この海外遠征とはなんなのか簡単に説明すると、昨年冬の練習会に参加した部員のうち、春季大会での活躍がめざましい者を選抜して海外遠征に連れて行く、というものである。

 

 

この告発の意図は割り当てられた役員個人を糾弾するものではなく、構造を批判するものであるため、個人名の表記は伏せた。また、役員の所属校生徒を慮り学校名の表記も伏せることにした。高校野球界の問題を指摘するため、ぜひ公開している役職と活動日程に注目してほしい。

 

まず、この海外遠征選抜チームの団長は滋賀県高野連会長である。そしてこの会長は公立高校の校長である。教員の労務管理をする立場である。野球に情熱を捧げるご趣味は良いが、勤務校及び県下の教員の働き方改革にも精を出して欲しいものである。

 

次に、教諭が並ぶ。公立高校の部活組織なので至極当然のことではあるが、我々からすると異様である。少し前に話題になった教員の多忙を尻目に、連盟の仕事まで引き受けるのは大変なご苦労だと推察する。果たして彼らは望んでそこにいるのだろうか?もしそうでないとしたら、大変なご負担だろう。ぜひ高野連内部からも学校の働き方改革と部活動顧問強制問題について意見していただきたいものだ。仮にもし望んでやっているのだとしたら、その意欲をぜひ持続可能な野球界と教員全体の負担軽減のために燃やして欲しい。

 

さらにご確認いただきたいのは日程である。海外遠征出発前、12月はすべての土日が合同練習の予定と明記されているが、ガイドライン赤線部と照らし合わせると不適切、青枠部と照らし合わせると解釈次第、ということになる。終了時刻は明記されていない。

 

 

 

ちなみに、これは前回の投稿から約2ヶ月後に改訂版が公開された、滋賀県教委の「部活動の指導について」である。(PDF版はこちらから。)これは2018年3月にスポーツ庁が発表した「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」を受けて改訂したのだが、高校において「平日3時間、休日4時間」という滋賀特有の延長時間は改訂されなかったようだ。

 

そもそも公立高校の部活で6日間の合宿は妥当なのだろうか。それとも海外遠征自体は学校主催ではないので、部活とは異なる高野連のイベント扱いになるのだろうか。そうするとガイドラインの効力はないのか?部員を対象に顧問を使役する活動で、どこまでが部活といえるのだろうか。言葉を替えると、顧問が部員を使役した趣味とも言えるのではないか。

 

 

 

そして先に挙げた「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」の作成検討会議には、高野連副会長の西岡委員も参加していた。まずはご自身の所属組織から率先して襟を正して欲しいものである。