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勝利至上主義

タカツ 関東 40代 公立小

 

 

 日大アメフト部のニュース(※1)が巷を騒がせています。

 大方の見方は、スポーツマンシップに反する、批判されて然るべき行為ということになっています。私も同感です。

 しかし、敢えてアンチテーゼ的に言わせて頂きます。

 

 

「あのプレーは当然だ!」と・・・。

 

 

 どのような見方をしたら「あのプレーは当然だ!」と言えてしまうのか?それは「勝利至上主義」という見方をしたらです。

 

 

 少子化が叫ばれている昨今。私立大学では、受験者の争奪戦が死活問題になっています。そんな中で部活動の活躍は格好の宣伝要素になります。となれば、学校としては是が非でも良い成績を収めてほしいと願うものでしょう。そんな中で禁じ手に触手が伸びてしまうのは、人間の心の弱さゆえの過ちと言えるのではないでしょうか・・・。

 

 

 今、NHKで放映されている、学校問題に切り込んだ某ドラマ(※2)でも取り上げられてた、夏の甲子園での松井秀喜選手への5連続敬遠についても似ているなと感じました。

 当然当時は、「スポーツマンシップに反する。」とか、「学生スポーツにふさわしくない、非教育的行為だ。」などと言われていました。

 しかし、甲子園に出場している選手一人ひとりの気持ちになれば、「少しでも活躍して、プロ野球の球団からオファーがほしい。」と切実に願っていることは想像に難くないと思います。そんな中で、正々堂々と勝負して、ホームランを打たれた自分を「何てすがすがしい選手だ!ぜひうちの球団に入って欲しいい!!」なんて思ってもらえると信じている選手がいるだろうか?いやいない。

 つまり、甲子園という舞台は、「教育的行為」などが介在する余地のない、「勝利至上主義」の総本山なのではないかと思います。(故に、極まれに「教育的」らしき行為が行われたときに美談として語られるのではないでしょうか?)

 

 

 話を戻しますが、日大アメフト部の様な行為が今後行われない様にするためには「勝利至上主義」から脱却しなければならないと思います。

 とは言っても私立の大学や私立の高校では難しいかもしれません。理由は前述したように、受験者数の確保がかかっているからです。

 であるならば、せめて公立の中学生くらいは守ってあげられないでしょうか!?

 

 

 つまり、中学校の部活の対外試合を極力減らすのです。

 

 

 勝敗を決める必要性が低くなれば、その行為を純粋に楽しめるのではないでしょうか?例えばトランプやオセロを家族や友人と楽しむ様に。

 部活動を、人生をより良く彩るための趣味や遊びの延長線上に置くことができたら何と幸せな事だろうと思います。私は、運動部しか経験がないので断言できませんが、例えば家庭科部(料理や裁縫)などはまさにその類なのではないかと想像します。

 

 

 以上述べてきたことを実現するための方法として以下の点を提案します。

 ①全国大会をはじめとする対外試合を禁止する。(年に2,3回程度の近隣校との交流戦はあり。)

 ②複数の部活動の兼部を認める。

 ③入部、退部は自由(もしくは、1年或いは半年で変更する)

 ④活動は多くても週3日にする。(平日は2日以下、休日は1日以下)

 ⑤地域クラブチームへの参加を認める。(「勝利至上主義」の方はそちらでどうぞ)

 ※④の活動範囲であれば、他の職業についている人でも、インストラクターとして囲いやすくなるのではないでしょうか?

 

 最後に付け加えます。私の勝手な想像ですが、おそらく九割以上の人が、所属していた部活動とは関係のない職業についているのではないかと思います。であれば、部活動は「遊び」や「趣味」で事足りると思います。

 教育の現場が、子どもたちが生き生きと自分らしさを発見し、伸ばしていける場であってほしいと、子をもつ親の立場で、切に願います。

 

 

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参考リンク 

 

※1 「日大アメフト、危険なタックル問題」YOMIURI ONLINE(Copyright © The Yomiuri Shimbunより) 2018年05月28日

 

※2 NHKドラマ「やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる」2018/4/16~全6回放送