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女性蔑視を感じる職場~3年担任は妊娠を避けて~

パーシー 高校教諭

 

 

 

私の勤務校では「3年担任を持った女性教員は、妊娠を避ける」という考え方が根強くあります。

 

先日管理職に、本校が家事育児をする女性にとって働きづらく、その分の負担が他の職員に回されているため勤務の偏りが生じている、業務量自体を減らして欲しいことを伝えました。具体的には、「3年担任は妊娠を避けて欲しい」はおかしいのでは?業務量を減らしてみんなが3年担任を持てるようにして欲しい、と言ったわけです。

 

すると返ってきた言葉は、

「1、2年の担任なら妊娠してもいい。しかし3年はだめ。生徒のために、担任が途中で交代するのはよくない。だから妊娠で休むことが決まっている、もしくは妊娠したいと考えている教員は3年担任から外す。3年担任が決まった時、気づかずお腹に入っていた分については、仕方ない。3年担任は子どもを持ちたい女性にとって難しい。これはどこの学校も同じ。」

と言われました。

表現は管理職が言った言葉そのままです。 

 

さらに、

「産休育休を取得する予定の教員は、相手の学校に迷惑をかけるから、異動対象にはしない。」

という話も出たので、

「産休は迷惑なのか。」

と問いただすと、

「迷惑である。なぜなら、その人が経験に応じて自分の能力を100パーセント発揮できるところが講師となり、戦力ダウンになるからだ。ただし、職務上は迷惑だがその人の人生を考えると大切なこと。結婚、出産をしている方が人間として『いい』ので、迷惑だけどお互い様である。マタハラではない。」

とのことでした。

 

確かに進路決定を控えた生徒にとって、担任が途中で変わると困惑するのかもしれません。

ですが、3年担任が決まった時に気づかず妊娠していた分はいい=担任中に新たに妊娠することはダメということですから、人権侵害にあたると思います。3年担任は確かに大変な仕事ですが、進路指導の仕方がよくわかるようになりますし、生徒が目標を達成した時に感じる喜びは、格別です。自身のキャリアアップにもつながる機会を一部女性から奪うことが許せません。

 

そして産休育休で3年担任を持てなくなった女性教員の代わりに、何年も連続で3年担任をしている独身女性教員もいます。結婚や出産を望んでいる独身女性もいます。休暇を取得した女性にうらやましい思いを抱きながらも、目の前の生徒のためと思ってきつい思いをしているのに、結婚、出産をしている方が人間として『いい』と管理職には思われていると知り、情けなさで胸がいっぱいになりました。

 

私の学校は、男性にとっても働きづらいと思います。現に育休を取った男性教員はまだいません。女性には上記のような配慮がありますが、男性は小さな子どもがいても関係なく大量の業務が命じられ、6か月連勤する人も時間外勤務が180時間に及ぶ人もざらにいます。

 

性別や結婚、出産といった、本人の努力ではどうにもできない部分、もしくは選択の自由にかかわる部分で不当に扱われる。このような差別を、少なくとも将来を担う大切な子どもたちを育てる教育現場からは放逐したい。

そのような思いでこの文章を書きました。