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夢にときめけ!明日にきらめけ!!めざせ甲子園!!!(会員限定)

タカツ 関東 40代  公立小学校教諭

 

 

 

↑タイトルにある言葉は、昔人気のあった野球漫画(ヤンキー漫画?)の名言の一つです。「(会員限定)」は私が勝手につけました。

とても魅力的で素敵な言葉だと思います。当時私は違う種目の運動部に入っていましたが、この言葉の輝く方向に進むことが当然であり、また、その先に必ず成功が約束されているとおぼろげながらに信じていました。

 

 現在私は部活の種目とは全く関わりのない職業につき、全く関わりのない生活を送っています。

 

 余談ですが、私の親戚に箱根駅伝でチームが2位になったときのキャプテンをしていた人がいます。

 しかし、彼がその後アスリートとして活躍することはありませんでした。彼の様な英雄には輝かしい未来が約束されていると思っていたのですが、そうではありませんでした。

 好きなことを活かして人生をおくることはとても稀有なことなんだと思い知らされました。

 

 学生の頃の私は、部活動のその先に輝かしい成功があると信じ、顧問の教職員に殴られたり、蹴られたり、罵倒されたり、独りで1時間うさぎ跳びを泣きながらさせられたりしてきました。

 しかし、プロ入り、全国優勝どころか・・・、県大会すら出場することもありませんでした。

 部活動の中で何を得たのか?嫌な思い出だけです。(あえて言うなら、「ああいう教職員にはなりたくないな・・・。」とか「スポーツを純粋に楽しみたいな・・・。」などの反面教師として心に深く刻まれました。)

 

 部活動をして、「得るものがあった!」と言える人は、プロになれた人や、せめてコーチやインストラクター等の職業に生かせている人だけではないでしょうか?

 「いやいやいや、「友情」や「努力すること」の大切さも知ることができた。」とおっしゃる方もいらっしゃると思いますが、部活動の規模をもう少し縮小しても得ることができたのではないでしょうか?その時間を利用してもっと、学習をしたり、見聞を広めたり、家族とふれ合ったり、遊んだり、デートしたりすることができたのではないでしょうか?このような失われた時間も本当は素晴らしい輝きをもった貴重な時間だったのではないでしょうか?

 「そんな考えは軟弱な人間のすることだ!!」とおっしゃる方々が、私の勤務先で発言力をもっています。なので、当然(余計な)仕事が増え、残業時間が増え続けることを喜びとしなければなりません。それに同調しなければ(大人の)いじめの対象にされかねません。

 

 話が横道に逸れてしまったので本題に戻ります。

 タイトルの最後に「(会員限定)」とつけたのは、「夢」=「成功・優勝・名声」を得られるのは極一部の限られた才能と環境の整った者に限られていると感じたからです。

 例えば小学校の道徳の教科書(副読本)に載っているオリンピックメダリストの某体操選手は、両親が体操教室を開いており、彼の為に特大トランポリンや三階建てのジムを建設するなど部活動とは全く関係のないところでトップアスリートになりました。

 野球やサッカーのトップアスリートは部活出身者が多いではないかとおっしゃる方がいらっしゃるかもしれませんが、全国大会に名を連ねるのは「メイ・・ホウ・・?、レイ・・シュウ・・?これ何て読むの?」と悩んでしまうような校名の(職業部活の)私立校ばかりがほとんどではないですか?極稀に公立校が活躍すると美談として語られますが・・・。本当に極極稀です。(※職業部活の公立校は除く)

 極限まで「努力」をしたのに「夢」を得られなかった方々の大半は、社会にでると自分を正当化するために、「努力すること自体が尊い!!」と考え、やがて(結果度外視、もしくは結果を歪曲して)鬼軍曹へとレベルアップし、際限のない努力を強制するようになっていきます。(こういった方々は、たいていが純真で、目がキラキラしているだけに反論しにくい・・・。反論するとこちらが悪者にされてしまうので始末が悪いことこの上ないですね・・・。)

 

 そこで、世間でも取りざたされているので、今更私ごときが提案するまでもありませんが、「部活動」を「放課後活動」に転換して、二つの路線を確立していってほしいと思います。

 一つは、学校が行うもので、活動は週2~4日程度、「知る、楽しむこと」がメイン。所属変更も自由。(もしくは半年や1年ごとに変更する。)対外試合は基本的に無し。(やったとしても近隣校との定期戦程度にとどめる。)基本を重視し、生涯スポーツへとつなげることを主目的にする。

 もう一つは、学校が行う「放課後活動」以外に「クラブチーム」を作り、こちらは全国大会やプロ入りを目指し、好き放題(活動時間、スパルタ)やれる。

 前者が「夢会員」外で、後者が「夢会員」ということです。このように子どもや家庭が「選択可能」なシステムを構築していけたらいいですね。

 

 無理やり(夢会員)に入れさせられることは人権侵害につながっていかないでしょうか?少なくとも私の学生時代を振り返るとそうとしか考えられません。

 

 追伸:私の小学校2年生の子はスイミングスクールに週一回通っていましたが、25m泳げるようになり、本人も「辞めたい」と言ったので、1年弱で退会しました。(私自身は教員採用試験で当時25m泳ぐ試験があったので、その為に必死で練習し、やっと泳げるようになりました・・・。)今は苦手な器械体操(マット、鉄棒、跳び箱等)のスクールに週一回通っていて、そこそこ楽しいそうです。同僚のお子さんも同じく2年生ですが、スイミングスクールの選手コースに通っています。なので週3,4回通っているそうです。それぞれ本人や家庭の考えでの選択なのでどちらも尊重されるべきだと感じます。我が子が中学生になったときに今よりも状況が良くなっていることを切に願っております。