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部活動に休みは必要か

マスダン 公立高校

 

 

 

私は部活肯定派である。しかし、それは活動時間が増えれば増える程良いという肯定ではない。休みが必要かと問われれば当然必要だと答える。具体的に言えば週に2回。個人的な話だが私の妻は吹奏楽部強豪校の副顧問で年中ほとんど休みなく活動している。一人の夫として正直理解できないし、不満である。露骨に責めることはしないし、色々な事情があり副顧問ということで希望通りにならない葛藤を見ているのでしょうがないのかなと。吹奏楽の長時間部活の是非については専門家に任せたい。

 

社会人になって仕事に求めるものはお金とやりがいであった。公務員なので金銭的にはどうしようもならないが、自分の教科を一定レベル以上で指導したい希望があった。しばらく働くにつれて私は休みがあるかという点も仕事に求めるものになった。

 

世界で活躍するスポーツ選手は学校の部活をベースにして力を伸ばし世界へ羽ばたいているものも少なくない。部活の休みを作ってしまえば競技力が維持出来ないとの意見がある。確かに部活縮小や休みを増やすという主張をする者には自校の競技力だけでなくもっと上のレベルの低下まで考えて議論して欲しい気もしている。しかし、ふと考えると世界で活躍する選手、プロ選手は休んでいないのか。大人と成長段階の学生では違うということか。練習時間と競技レベルが比例するという考えは正解でなく危ない考え方である様な気がする。

 

学校の中には部活の休みが多すぎて不満を持つ生徒もいれば休みがなく不満を持っている生徒もいる。私の部の生徒はどちらかと言うと休みが多く不満を持っている生徒がいた時期があった。気持ちよく活動ができる季節はやりたいけどそうじゃない時は休みでもいい、そんなこともあった。休みにしても別の場所で集まって練習をしていると聞いたこともある。私は決して自分が休みたいから部活を休みにしている訳では無い。生徒も休みたい時もあればやりたいこともある。

 

生徒の要望、わがままをすべて聞いていてはろくな活動は出来ないし、自分の限界を超えた負荷に晒されることで想像もしなかったような力を発揮することもあるのかもしれない。私はやりたいと思っている生徒が思いっきりやることが力をつける近道だと考えている。生徒がやりたいという気持ちを他の問題を抱えず持ち続ける必要がある。持ち続けるためには競技での実績も必要である。生徒の健康管理、部活以外の学校生活の健全化、部活動へのモチベーションの維持、そして競技力向上のために部活動の休みの必要性を主張したい。

 

その考えを教員、生徒で共有することが必要である。共有作業を日常的に行う方法もあるし、最初に説明する方法もあるだろう。その作業が大切なのであって第三者がどれだけ休めとか決まりを作ってしまうのは違和感がある。様々な外的要因で部活休みを設定することを妨げられている教員にとってはある程度拘束力のある上からの指示は必要かもしれないが、考えの共有が行われバランスを保って良好な活動を行っている部活の活動を制限するような決定はやめて欲しい。全ての都道府県、学校、競技に携わる生徒が全員が喜ぶ決定は難しいし、その現状が守られない現状に繋がっている。建設的な議論や、参考となる意見の発信がより必要になってくると考えられる。