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子どもたちと,もっとかかわりたい

匿名希望 東北 20代 教員の友人

 

 

 

私は,数年前に教員養成系の大学を卒業しました。

そのため,友人たちのほとんどは教員になりました。

しかしながら,現在も教員を続けているのは,たった1人だけです。

その他の友人は,なんと全員が,1年または1年未満で教員を辞めました。

理由はさまざまですが,長時間労働やパワハラによる精神疾患という友人もいました。

 

しかしながら,その他の理由をまとめると,だいたいこうなります。

「子どもたちとかかわるために教員になったのに,かかわる時間を確保できない。これでは教員になった意味がない」

私の友人たちは,ほとんどが,小さい頃から教員になりたくて,教員養成系の大学で勉強し,先生になりました。

教員になったら,子どもたちとたくさん向き合って,いい先生になるために,もっと勉強したい…という友人たちでした。

 

しかし,教員になった友人たちは,事務作業や親への対応,地域への対応,中学校であれば部活などなど…子どもたちと向き合う時間が取れないことにいつも悩んでいました。

特に部活については,未経験から顧問を強制されることがほとんどのため,友人たちは,子どもたちと向き合う以前に,未経験のことについて一から学ばなければならず,とても大変そうでした。

 

 

 

そして,とうとう現在教員を続けている友人も,転職を考えています。

理由は,「このまま未熟な自分ではいけないのに,事務作業・部活・一部の心ない親御さんへの対応等で時間が取られて,本来やるべきよりよい授業を提供したりするなどの勉強もできないし,自分は子どもたちの成長に寄与できていない」ということでした。

どこかへ相談したいということですが,相談窓口となっている教育委員会などは,平日しかやっていない上に17時には終わってしまいますので,どんなに早くても20時にしか帰れない友人は,どこにも相談することもできないようです。

 

話はそれますが,私は大学から現在にいたるまで,「不登校未満の子どもたち」について研究をしています。

恥ずかしながら,これまで私は,「教員はもっと子どもたちをしっかり見るべきだ」という論調でしたが,友人や関わった先生方によって昨今の教員事情を知ってからは,とてもそんなことは書けません。

これまでの調査を見る限りですが,先生方は,子どもたちのほんの小さな不調に気づき,本当によくサポートしてくださっていると思います。

でも,まだ,救われない子どもたちはたくさんいます。

もし,子どもたちと向き合う時間がもっと確保されていたなら,救われる子どもたちがもっと増えるのに…というのが本音です。

 

しかしながら,そういった子どもたちを含め,自分の学級の子どもたちと向き合う時間は,本当に,ごくわずかな時間に限られてきていることも事実です。

でも,先生方が割きたくないけれど,時間を割かざるを得ないことになっているのは,やはり,「本来の業務ではない部分」なのだと思います。