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強制力をもたない改革は改革ではない。

九州 40代 中学校

 

 

 

学校における長時間労働が問題視されて久しいが、大きな改革はないに等しい。劣悪な労働環境のなかで子ども達により良い教育をすることができるはずもない。そもそも中学校で労働時間が長く休日が少ない原因が部活動にあることは明らかである。部活動の教育的効果を全否定するつもりは毛頭ない。しかし、少子化の影響で学校規模は小さくなり、正規教員の数も少ないなかで昔のように部活動を運営することは不可能なのである。

地域の要望、保護者の希望…。それを実現できるだけのマンパワーが不足しているのに校長が引き受ける。その皺寄せは現場の教員である。事実上、時間外労働を強制される訳である。

 

私は部活動改革の一つの方法を提案したい。

すべての課題をクリアできるものではないが、改革を本気でするならば現実的な案と考えていただきたい。

 

『運動部の活動をシーズン制にする』ことである。各部の人数が少ないなかで顧問と副顧問がつくことがほとんどであろう。シーズン制を取り入れれば、教員の負担は半減するし、生徒も複数競技を経験できる。さらに活動人数が増え、競技力の向上が見込める。前提条件が二つある。一つ目は、中体連改革である。シーズン制を考える場合に必ず中体連の試合日程が絡んでくる。そんなものは各学校が考えればよい。

 

もう一つは、『初志貫徹』を美学とする日本的な発想の転換である。

一つのことに一心不乱に打ち込むことこそ成果に繋がると信じて止まない日本人の発想の転換である。それが子ども達のケガやスポーツ障害の原因になることや可能性を限定してしまうためにそんな考え方はしていない。細かい課題は色々出てくるだろうが、大きな障壁となるのはこの二つだろう。小学校でのスポーツ活動を見ていても保護者の異常な加熱ぶりである。小学校の場合は多くがクラブチームでの活動であるため、それでもよいのかもしれないが、中学校の部活動も同列で考えられては困る。