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You'll never walk alone!

狩野伸行 近畿 40代 堺市立登美丘中学校 吹奏楽部顧問

 

 

 

名古屋大学の内田先生に紹介してもらってこのサイトを知りました。

まずは大変な状況における問題提起と、発言しやすい状況を作り出してくださった皆さんと内田先生に感謝いたします。

これからも子ども達のためにできることを、みんなで一緒に考えていけば必ず状況は変わってくると信じております。

私自身も自分のできる範囲でできる限りのことをやっていきたいと思います、よろしくお願いいたします。

 

いわゆるブラック部活の文化系代表である、吹奏楽部の顧問をしております。

学生のころから全国大会にも出場し、教職についてからも生徒達と一緒に休みなく練習して、大きな舞台に上がれることを誇りにしておりました。

しかしながら、教育についてしっかり学べば学ぶほど、多くの犠牲に成り立つこの感動の連鎖に、強い違和感を覚えるようになりました。

レールを敷くのをやめ、スピードを緩め、目的地を共に考えていく・・・

少しずつ「道場」から「教育」に舵を切りつつあったときに、内田先生の記事に出会えました。

昨年度より「ホワイト部活」として、仲間(生徒・職員・保護者)と協力して、みんなで目標と予定を考え、自分事としてとらえるようにしかけました。

長時間練習で有名な吹奏楽部ですが、ホワイト部活では練習時間は半減(週一オフ、月一週末オフ、夏休みは2週間弱オフ)、

欠席も連絡さえあれば自由、自分たちの目標に向けてどこを休んでどこで集まるか考えさせるようにしました。

「やらされているうちはダメ、やりたいことを限られた時間でやらないとダメ、でも顧問が都合悪い時は練習なしよ(笑)」

結果、コンテストなどの成績は下がるどころか過去最高の成果をだし、本年度も東京で行われる全国大会に出場しました。

自律した羊が優秀な牧羊犬に負けずに、拘束時間の長さが結果には反映されないと証明したスーパー中学生でした。

 

我々は多くの「枠」の中で生きていると思いますが、枠はそこを効率よく通過する人のためにあるものであり、

枠内で定住する人のためにあるのではないと考えます。どんな清流でもずっと動きがなければ濁ってきます。

どんな職種でも自分でマネジメントせずに指示されたことしかしていないと、いつまでも有給は消化できません。

特に教師は枠の中で耐え忍んで、王子様を待ち続けているのでなかなか質が悪い(笑)

子ども達を信じて手を放し、自らのキャリア育成を考え、枠を超える勇気を持たなければ、結局ブラックアピールで終わってしまう。

青い鳥(仲間)はすぐそばにいるのに、客観視できないのがとても残念だと感じます。

 

10年以上小学校外国語活動にも携わっていてわかったのですが、教師は本当に枠の外と連携するのが不得手です。

(枠の中に関しては本当にため息がつくぐらい素晴らしい事例もたくさんあります)

自分の教室内ですべてを解決しようとするから、客観視できずに何事もブラック化していきます。

小学校の外国語も中学校の部活も、一人では絶対に乗り越えられないぐらい大きな波です。ならばみんなで大船を作ればいい。

許容量を超える前に、荷物をおろし、仲間とともに歩んでいけば、きっともっといい方法が生まれてくると信じています。

長文、恐れ入ります。